研究課題/領域番号 |
20H03362
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
玉村 啓和 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (80217182)
|
研究分担者 |
辻 耕平 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (50866639)
小早川 拓也 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (30801526)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 環状ペプチド / ペプチドミメティック / ケモカイン受容体CXCR4 / 上皮成長因子受容体EGFR / コンジュゲート / 中分子 |
研究実績の概要 |
これまでに、研究代表者は環状ペプチド誘導体およびペプチドミメティックを基盤とし、感染症・がん等をターゲットとした創薬リードを多数創出し、そのなかでもケモカインレセプターCXCR4のアンタゴニストであるmotixafortide (BKT140/BL-8040)は、がん、白血病の治療薬候補品として臨床試験第III相に進行している。上皮成長因子受容体(EGFR)結合リガンド(がん細胞内送達分子)も創出した。当該年度、これらの創薬リードを薬物送達分子として応用し、新たな治療薬の創出を目指し、他の低分子医薬品とのコンジュゲート分子等の創製を行った。本ストラテジーのメリットは、コンジュゲート化により可能になる多機能性の付与や環状ペプチドによるターゲッティング、他の医薬品の細胞内送達等を可能にする等があげられる。実際、CXCR4やEGFRを過剰発現しているがん細胞を標的とし、他の低分子医薬品である抗がん剤を効率的に送達する薬剤のデザイン、創製等を行った。コンジュゲート分子のデザインにおいては、リンカーの種類や長さの検討、結合反応の箇所やその反応の検討等を試行錯誤することにより、最適なものを創出した。当該年度の本研究の成果により、有機合成により創製した環状ペプチドミメティックと他の低分子化合物とのコンジュゲート分子は中分子創薬研究の有用な手段であることを示唆するひとつのエビデンスを示すことができたと思われる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的であるコンジュゲート分子を合成するための種々の条件検討は順調に進んでおり、また生理活性を有する新規化合物も得られている。
|
今後の研究の推進方策 |
種々の医薬品とのコンジュゲート分子等を合成することが可能な条件検討をさらに精査し、コンジュゲート化による他の低分子医薬品のターゲッティングや細胞内送達等がより効率的になる薬剤のデザイン、創製等を行う。最終的に、新たな治療薬の創出を目指す。
|