研究課題/領域番号 |
20H03365
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
藤田 美歌子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 特任教授 (00322256)
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研究分担者 |
大塚 雅巳 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 客員教授 (40126008)
立石 大 熊本大学, 薬学部, 客員准教授 (50846011)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | HIV / エイズ根絶 / イノシトールリン脂質 / アポトーシス / Gag / プロドラッグ / IP6 / X線結晶解析 |
研究成果の概要 |
我々は、人工イノシトールリン脂質L-HIPPOがHIVのGagタンパク質MAドメインに結合してウイルス放出を抑制し、感染細胞にHIVを閉じ込めアポトーシスを誘導する現象を報告した。本研究では、L-HIPPOのプロドラッグ化と構造最適化を目指した。まずこのプロドラッグ体を合成し、HIVの放出抑制や感染価低下に働くことを明かにした。また、Gag MAドメインとL-HIPPOとの複合体の構造解析を目指した。これに関しては成功に至っていないが、MAとL-HIPPOの一部であるIP6との結晶構造解析に成功した。この構造を基に、MAと強く結合するL-HIPPO誘導体の構造を推定した。
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自由記述の分野 |
創薬科学、ウイルス学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在のエイズ治療の最大の目標は、患者体内からのHIV潜伏感染細胞の除去である。ここで取り組む感染細胞にアポトーシスを誘導する現象は、この目標達成に繋がる新しい概念をもつエイズ治療法となる。また用いる化合物は、人工イノシトールリン脂質である。これまでイノシトールリン脂質は、特に負電荷を多くもつことから医薬品のリードとして考えられて来なかった。今回は負電荷を多くのプロドラッグで覆うことでその欠点を克服したが、これは新しい医薬品の創製に繋がる。またHIV Gag MAドメインとIP6の複合体構造を解いたが、これにより生体分子IP6によるHIV放出の制御機構を新たに提唱することができた。
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