研究課題
基盤研究(B)
本研究では,複数の触媒機能を同時発現する協奏機能型触媒による革新的な原子効率100%の触媒的不斉炭素-炭素結合形成反応の開発と,その重要医薬品群の実践的短工程不斉合成への応用を目指した。特にこれまで低反応性ゆえに触媒反応開発において顧みられてこなかったアミドやニトリルといった基質について注力した。多数の効率的触媒的不斉反応の開発により有用化合物の迅速供給が可能となった。協奏機能型触媒を駆使する無駄のない実践的合成法のアドバンテージを示すことができた。
化学系薬学
ごく少量の不斉源により大量の目的化合物の分子骨格を化学的かつ光学的に純粋に構築できる触媒的不斉反応は,立体制御が必須な医薬品合成において理想的かつ強力なテクノロジーである。反応促進に注力した試薬援用型の研究スタイルとは一線を画し,本研究では触媒の設計により基質の低反応性を克服するアプローチを徹底することで試薬由来の廃棄物副生を徹底排除した化学合成を実践してきた。本研究で開発した一連の触媒的不斉反応は有用医薬品類の効率的短工程合成へと繋がり得る学術的成果である。