研究課題
糖鎖は、分化・発生、免疫、癌化、タンパク質品質管理などにおいて様々な役割を果たし、近年、第三の生命鎖として注目されている。我々は、特定の糖鎖構造に特異的な抗糖鎖抗体を効率良く作製する方法論を開発し、親和性および特異性の高い様々な抗糖鎖抗体の作製に成功している。本研究では、新たに開発した抗糖鎖抗体による実験的自己免疫性脳脊髄炎(experimental autoimmune encephalomyelitis, EAE)の治療効果の検討を行い、糖鎖を標的とした新規免疫疾患治療薬の開発に向けた基盤を確立することを目指す。令和4年度は、以下の2つの課題に集中的に取り組んだ。1. ヒト化抗糖鎖抗体の作製とその活性評価はじめに、独自に開発した新規抗糖鎖抗体の重鎖および軽鎖の超可変領域CDR部分を、ヒト抗体のフレームに挿入し、それらの重鎖と軽鎖をリンカーで繋いだ一本鎖抗体の作製を行い、活性を確認した。次に、同一本鎖抗体の重鎖・軽鎖V領域をヒトIgG1抗体の定常領域と繋いだヒト化抗糖鎖抗体を遺伝子工学的手法により作製し、一過性発現システムを用いて発現させた。さらに、同ヒト化抗糖鎖抗体の結合特異性を、各種糖転移酵素安定発現株を用いたフローサイトメトリーおよび各種糖転移酵素欠損マウス由来リンパ節の免疫染色により評価した。2. ヒト正常組織および病理組織の免疫組織染色これまでに我々は、マウス由来の各種正常組織を用いた免疫染色を行い、独自に開発した新規抗糖鎖抗体がリンパ節高内皮細静脈特異的に染色性を示すという結果を得ている。令和4年度は、各種ヒト正常組織の免疫染色を実施した。その結果、同抗糖鎖抗体が、ヒトリンパ節およびヒト扁桃の高内皮細静脈と特異的に結合することが明らかとなった。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 4件、 査読あり 7件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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