研究課題/領域番号 |
20H03382
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 欣晃 大阪大学, 大学院薬学研究科, 准教授 (50444500)
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研究分担者 |
青枝 大貴 大阪大学, 微生物病研究所, 特任准教授 (10324344)
櫻井 文教 大阪大学, 大学院薬学研究科, 准教授 (70370939)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 重症感染症 / 炎症性疾患 / 血管透過性 / 血管内皮細胞 / 敗血症 |
研究成果の概要 |
重症感染症に起因する敗血症では、血管透過性の過剰な亢進により致死的病態が誘導される。今回は、血管透過性を抑制するRobo4発現の促進により敗血症病態を緩和できるかを解析した。遺伝子改変マウスを用いた解析から、Robo4の内皮細胞特異的な過剰発現により敗血症マウスの死亡率を低減できることが示された。Robo4の発現調節メカニズムの解析から、ALK1シグナルがRobo4発現を抑制することが示された。さらにALK1阻害剤が、Robo4発現の促進を介して、敗血症マウスの血管透過性と死亡率を抑制した。これらの結果から、Robo4発現促進薬で血管透過性を抑制し、敗血症病態を緩和できることが示された。
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自由記述の分野 |
血管生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炎症性疾患の病態は、病原体への暴露、血管・免疫系の活性化、炎症性サイトカイン産生、血管透過性亢進等のプロセスを経て誘導される。これまで最初の3プロセスを抑制する治療薬として、抗生物質、ステロイド、抗サイトカイン薬が開発されてきたが、これらを用いてなお重症感染症・炎症性疾患の制圧は難しい状況にあった。本研究では未だ治療薬のない「血管透過性亢進」を抑制する新機序薬を提案し、血管透過性を抑制する分子の発現を高める低分子薬を同定し、同低分子薬で敗血症マウスの血管透過性と死亡率を抑制できることを証明した。本研究成果により、血管透過性が重症感染症・炎症性疾患に対する新たな治療標的となることを提案できた。
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