心臓特異的GPx4欠損マウスはビタミンE添加食で生存できるが、餌のビタミンE量が低下すると、心筋細胞に脂質酸化依存的な細胞死(フェロトーシス様細胞死)が誘導され心不全突然死を引き起こす。我々はこれまでに抗酸化能をもたない抗生物質セフォペラゾン(CPZ)の飲水投与により、腸内細菌叢の変化を介して、心不全を抑制することを見出していた。本研究では、CPZ耐性腸内細菌がエンテロコッカス属菌であることを明らかにし、この致死抑制には腸内の微量のビタミンEの構造を認識し、必要としていること、またエンテロコッカス属菌以外にも少なくとも2種類の別の腸内細菌も心不全を抑制できることを新たに見出した。
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