硫酸化糖鎖の一種であるコンドロイチン硫酸(CS)プロテオグリカンは、細胞表面や細胞外マトリックスに存在し、様々な生命活動の制御に関わっている。その多彩な機能の多くは、多様な合成酵素の発現制御によって作られるCS鎖の構造に依存する。本研究では、6-硫酸化コンドロイチンを合成するコンドロイチン6-硫酸基転移酵素-1遺伝子を欠損したマウスでは野生型マウスと比べて皮膚の肥厚が認められ、この原因が表皮幹細胞の増殖亢進によることを明らかにした。また逆に、6-硫酸化コンドロイチンを増やしたマウスは、骨硬化症を発症した。さらに、CSがROR1を介して乳がん細胞の悪性度を高めている可能性が示唆された。
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