本研究では、ヒストンH4テイルが超アセチル化されたクロマチンの機能解析を通してがん細胞株における幹細胞性の制御機構を解析した。その結果、ヒストンH4テイルが多重アセチル化されたパターンのH4 K5ac+K8acを基準とすることで、従来のスーパーエンハンサーの同定基準の一つであるヒストンH3のK27アセチル化では見出せない新規のスーパーエンハンサーを見出せることを膠芽腫幹細胞で明らかにした。さらに、ヒストンH4テイルが多重アセチル化されたヌクレオソームを用いて、ヒストンアセチル化酵素p300/CBPがヌクレオソーム内でアセチル化を読み書きしてリシンアセチル化の情報を伝播する分子機構を解明した。
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