研究課題
近年、不安障害の患者数は急増しており、認知症患者数よりも多く、社会負担が甚大ながら、成因・病態機構や治療機序が未解明で新規治療薬の開発も長年失敗している。本研究では、それを打開するため、応募者らが最近開発した方法論を駆使し、従来研究では見逃されていた病態の詳細な分子・神経基盤の解明を通じ、新たな治療法の確立に貢献する。具体的には、最新の高精細全脳イメージング法および単一細胞トランスクリプトーム解析法を組み合わせ、強い精神的ストレスに暴露された脳を、全脳細胞レベルで解析し、ストレス誘発不安様行動を制御する神経基盤を明らかにすることを目指している。本年度は、mRNAの発現を二重蛍光標識in situ hybridization法により明らかにし、ストレス応答性神経細胞のマーカー分子を同定した。また、同定したマーカー分子の発現細胞特異的にCreリコンビナーゼを発現するマウスを作成し、アデノ随伴ウイルスベクターを用いて、特異性を確認した。今後は、ストレス応答発現細胞の神経活動を計測し、その挙動から不安関連行動との関係性を詳細に明らかにすることを目指す。
2: おおむね順調に進展している
計画通り進捗し、ストレス応答候補分子のCreリコンビナーゼ特異的なマウスの作出に成功したため。
神経細胞種特異的な活動操作や活動計測を行い、不安関連行動との関係性をより詳細に明らかにする。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
Science Advances
巻: 8 ページ: eabi6375
10.1126/sciadv.abi6375