今後の研究の推進方策 |
1)a7サブユニットの脳内における発現部位の解析 脳内の主要サブユニットであるa7サブユニットに対する特異抗体を用いて発現解析を行う。この際、陽性細胞の神経化学特性や、神経細胞内のどのコンパートメント(細胞体、樹状突起、軸索、神経終末)にいるかが重要な情報となるので、AAVによりGFPを導入する順行性標識と各マーカー分子との多重染色を組み合わせて共焦点レーザー顕微鏡により局在を検討する。 2)その他のサブユニットに対する特異抗体の開発 脳内のnAChRの発現様式の理解を目指し、ユニークなアミノ酸配列を抗原として用いてポリクローナル抗体作成を行う。今年度はa3, a4, a5, a6, b2, b3受容体の抗体作成に着手する。特異性についてはサブユニット欠損マウスサンプルを用いて検討する。開発が成功しないサブユニットについては選択性の高いリボプローブを用いたin situ ハイブリダイゼーションによる細胞発現検討に留まる可能性がある。 3)a7*-nAChR複合体の構成分子・結合分子の同定 特異抗体を使った共免疫沈降により精製する。このサンプルを、非変性状態で複合体構造をとるタンパク質や膜タンパク質複合体の大きさや分子種を調べるために有用な手法であるBlue Native-PAGEによる泳動を行い、切り出したバンドの質量分析により構成サブユニットと受容体結合分子の同定に取り組む。
|