ヒトやサルなどの霊長類は、ヘビ未体験の個体でも他動物と比較して天敵であるヘビを素早く検出できる。本研究では霊長類におけるヘビや顔の本能的認知機構を明らかにするため、サル膝状体外視覚系(上丘及び扁桃体)の視覚刺激に対する応答性を解析した。その結果、1)扁桃体および上丘ニューロンは、ヘビや同種の顔に他動物と比較して、短潜時で素早く、かつ強く応答する、および2)これら上丘および扁桃体ニューロンは、ヘビに対して特異的に短潜時でガンマオシレーションを呈することが明らかになった。これらのことから膝状体外視覚系は、特にヘビの素早い上行性情報処理システムとして機能していることが示唆された。
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