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2020 年度 実績報告書

ヒストンメチル化酵素KMT2変異によるエピゲノム異常と子宮内膜がん発症および進展

研究課題

研究課題/領域番号 20H03431
研究機関群馬大学

研究代表者

畑田 出穂  群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (50212147)

研究分担者 堀居 拓郎  群馬大学, 生体調節研究所, 准教授 (00361387)
西山 正彦  群馬大学, その他部局等, 名誉教授 (20198526)
小林 良祐  群馬大学, 生体調節研究所, 日本学術振興会特別研究員(PD) (30802855)
森田 純代  群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (40589264)
川端 麗香  群馬大学, 未来先端研究機構, 講師 (90721928)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードエピジェネティクス
研究実績の概要

本邦における子宮内膜がんの罹患数は婦人科悪性腫瘍の第一位であり、今後も患者数の増加が見込まれる。子宮内膜がんの標準治療は外科手術による子宮摘出だが、若年層患者の増加を鑑みると分子標的治療を基盤にした妊孕性温存治療法の開発が重要である。我々はがん公開データベースを再解析することで、子宮内膜がんではヒストンメチル化酵素であるKMT2ファミリー遺伝子に高頻度で変異が認められることを見出した。特にKMT2C/Dは、H3K4モノメチル化を介してエンハンサーおよびスーパーエンハンサーを正に制御することで、細胞のアイデンティティ形成に関わることが知られている。本研究ではKMT2変異によるエピゲノム異常が子宮上皮細胞のアイデンティティを喪失させることががん発症・進展の鍵を握るのではないかと推測し、上記仮説の検証およびKMT2変異がんに有効な治療法の開発を目指す。
本年度は子宮内膜がんでのKMT2変異の意義を明らかにするため、KMT2に変異の無い子宮内膜がん細胞株に対してCRISPR-Cas9ゲノム編集を行い、KMT2ノックアウト細胞株を樹立した。これら細胞についてRNA-seqで遺伝子発現解析を行った結果、ノックアウト細胞では上皮細胞の性質に関わる遺伝子の発現が抑制されていることがわかった。またChIP-seq解析では、上皮関連遺伝子のエンハンサーでH3K4me1やH3K27acマークが減少していることが明らかになった。実際に機能解析実験で比較を行うと、KMT2ノックアウト細胞では上皮機能に異常が生じていることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

KMT2ノックアウト細胞株を樹立し、さらにRNA-seq/ChIP-seq解析を実行したことにより、KMT2異常がどのような遺伝子の発現やヒストン修飾に影響を及ぼすのかが明確になった。

今後の研究の推進方策

前年度樹立したKMT2ノックアウト子宮内膜がん細胞株を用いて、KMT2変異がんに効果的な治療標的の探索を行う。KMT2に変異のある子宮内膜がん細胞でKMT2を過剰発現させ、スーパーエンハンサーの機能や標的遺伝子発現を復元させることができるか確かめる。個々のスーパーエンハンサーについて標的遺伝子発現との因果関係を明確にするため、エピゲノム編集でスーパーエンハンサーを制御するシステムの構築・検証を行う。

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公開日: 2021-12-27  

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