雌雄の副腎皮質の遺伝子発現を比較したところ、ほぼ全ての遺伝子の発現が1.8倍ほどメスで高かった。1.8倍より大きな性差を示す遺伝子はエネルギー代謝や糖質コルチコイド産生に必要な遺伝子が多く、遺伝子発現に対応するように実際の代謝活性もメスの方が高かった。副腎皮質の形成に必須のAd4BPの標的遺伝子を検索したその結果、発現している遺伝子のおよそ半数の遺伝子が標的遺伝子である可能性が示された。副腎が矮小化しているAd4BPヘテロマウスを用い、副腎皮質の性差が骨格筋の性差に与える影響を調べたところ、糖質コルチコイド量の性差が骨格筋のサイズの性差形成に一定の影響を与えることが明らかになった。
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