遺伝性疾患やがんにおける変異の約三分の一において、結果的に異常な終止コドンが生じる。このようなmRNAは生体が有するmRNA監視機構のひとつであるNMD (nonsense-mediated mRNA decay)により積極的に分解排除される。しかし、変異mRNA由来の新生タンパク質の運命についてはほとんど分かっていない。本研究では、NMD制御因子の新規結合タンパク質を足がかりとした、異常終止コドン識別複合体形成と新生タンパク質解離 リボソーム解離の分子機構と細胞ストレスがポスト異常終止コドン識別イベントに与える影響について研究を行い、新生鎖の分解抑制がNMDを阻害することを明らかにした。
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