研究課題/領域番号 |
20H03440
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
|
研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
河野 恵子 沖縄科学技術大学院大学, 膜生物学ユニット, 准教授 (30632723)
|
研究分担者 |
森山 陽介 沖縄科学技術大学院大学, サイエンステクノロジーグループ, サイエンス・テクノロジーアソシエイト (00452532)
杉山 伸樹 沖縄科学技術大学院大学, 膜生物学ユニット, ポストドクトラルスカラー (70868687)
RAZALI Nurhanani・Binti 沖縄科学技術大学院大学, 膜生物学ユニット, ポストドクトラルスカラー (70902667)
枡鏡 優美子 沖縄科学技術大学院大学, 膜生物学ユニット, 研究員 (10839848)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 細胞老化 / 細胞膜損傷 / 細胞膜修復 |
研究成果の概要 |
我々は出芽酵母とヒト培養細胞を用いて細胞の細胞膜損傷応答を検討した結果、新たな膜修復因子としてフリッパーゼを同定し、その輸送にクラスリン依存的な膜輸送が寄与することを見出した。また細胞膜損傷は、個体老化の一因である細胞老化をCa2+-p53経路を介して誘導すること、細胞膜の修復を亢進させることで細胞老化を抑制できることなどを明らかにした。また細胞膜損傷による老化細胞のトランスクリプトームはヒト生体内の創傷周辺にある老化細胞と極めてよく似ていた。これらの結果は細胞膜損傷がヒト生体内の創傷周辺で生じる老化細胞の原因である可能性を示唆している。
|
自由記述の分野 |
生命科学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトの老化の一因は細胞の老化であることが分かり始めている。老化細胞は様々なストレスにより誘導されるが、生体内における細胞老化の原因は未だはっきりしない。実験室内、試験管内での細胞老化の主要な原因は、テロメア短縮、DNA損傷、ガン遺伝子活性化、エピジェネティックな変化など、最終的にはDNAの変化、染色体の変化が細胞の運命を老化へと決定すると理解されてきた。しかし本研究では細胞膜損傷というDNAの変化とは独立の現象が、DNAの変化とは別のメカニズムで細胞老化を誘導し、実際にその細胞とよく似た細胞がヒト生体内にあることを示した。本研究は新たな老化治療戦略提案の基盤となる可能性がある。
|