研究課題
研究代表者は、「樹状細胞と制御性T細胞のクロストーク」による免疫制御の重要性を世界に先駆けて見出し、その研究をリードしてきた。本研究では、これまでの研究成果を発展させ、樹状細胞と制御性T細胞のクロストークによる免疫制御の分子機構を解明することを目指す。将来、本研究成果を応用し、重篤な感染症や発がんリスクのない免疫抑制法の開発に貢献し、自己免疫疾患、アレルギー、移植片拒絶を特異的に治療できる、新たな特異的免疫抑制法の開発に貢献し、超高齢化社会に役立つことを目指す。初年度は、紫外線を照射した皮膚における「樹状細胞と制御性T細胞のクロストーク」について解析をすすめた。紫外線を照射した皮膚において「樹状細胞と制御性T細胞のクロストーク」の結果増えた制御性T細胞をAUTOMACSを使ってエンリッチ後にフローサイトメーターで採取することで、純度良く回収することができ、RNA-シークエンスによる遺伝子発現解析やT細胞レパトア解析をおこなうことができた。その結果、制御性T細胞がクローナルに増えてプロエンケファリンとアンフィレグリンを発現し、ヒーリング効果というユニークな機能をもつことがわかった。マウスの創傷治癒モデルや皮膚片培養システムも使用してこれを証明し、報告することができた。PNAS誌に報告するとともに、プレスレリースも行った結果、科学新聞や中日新聞にも報道された。現在も本発見に基づき、さらに研究を推進している。
2: おおむね順調に進展している
「樹状細胞と制御性T細胞のクロストーク」の結果、ヒーリング効果を持つプロエンケファリンを発現した制御性T細胞という全く新しい発見を報告することができ、引きつづきのデータも得ており、順調に進展している。
今回見出した「樹状細胞と制御性T細胞のクロストーク」の結果、ヒーリング効果を持つプロエンケファリンを発現した制御性T細胞について、その機能解析、メカニズムの解明を推進をRNAーシークエンスやデータベース解析も使用し、分子機構の解明をさらに推進する計画である。樹状細胞が制御性T 細胞を増やすメカニズム、分子機構が明らかにするため、樹状細胞の方のRNAーシークエンスなどの遺伝子発現解析も行い、特異的な分子をスクリーニングし、機能解析を行う計画である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (2件)
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http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/immunol.dir/
https://www.nagoya-cu.ac.jp/media/200813.pdf