研究課題
2021年度は、①候補代謝産物の同定:1)抗肥満作用を示したノトバイオートマウスの盲腸内容物・血液のメタボローム解析を行う。②候補代謝物の抗肥満効果の検証:1)高脂肪食負荷マウスに候補代謝物を飲水投与し、体重増加・耐糖能・脂肪重量・肝臓重量を対照マウスと比較する。2)抗肥満作用を示した候補代謝物を投与したマウス肝臓中の遺伝子発現をRNAシークエンスにより解析した。その結果、肥満形質と負の相関を示す複数の代謝物を同定することができた。さらにこれらの中から実際に抗肥満作用を発揮する腸内細菌関連代謝物を見つけることができた。また、抗肥満代謝物の投与により、肝臓における特定の遺伝子の発現抑制が観察された。このように、腸内細菌と関連する代謝物の中から、食事性肥満を抑制する新規化合物を同定することができ、宿主代謝関連遺伝子の発現に影響を与えていることも明らかにすることができた。2022年度は抗肥満代謝物の作用メカニズムについてのさらなる検証を行っていく。
2: おおむね順調に進展している
2021年度は抗肥満作用を発揮する腸内細菌関連代謝物を同定することができ、特定の宿主遺伝子の発現に影響していることが明らかとなり、順調に研究が進んだ。
2021年度は、①候補代謝産物の同定:1)抗肥満作用を示したノトバイオートマウスの盲腸内容物・血液のメタボローム解析を行う。②候補代謝物の抗肥満効果の検証:1)高脂肪食負荷マウスに候補代謝物を飲水投与し、体重増加・耐糖能・脂肪重量・肝臓重量を対照マウスと比較する。2)抗肥満作用を示した候補代謝物を投与したマウス肝臓中の遺伝子発現をRNAシークエンスにより解析した。その結果、抗肥満作用を発揮する腸内細菌関連代謝物を同定できた。また、抗肥満代謝物の投与により、肝臓における特定の遺伝子の発現抑制が観察された。しかし、抗肥満代謝物の作用メカニズムについて明らかにすることができなかった。そこで2022年度は、2021年度に得られた腸内細菌関連の抗肥満代謝物の作用メカニズムについて検証していく予定である。そのために、抗肥満代謝物投与が宿主代謝に与える影響について、以下の解析を行う。①消費エネルギーの比較を行う、②脂質やコレステロール代謝に関わる遺伝子の発現を肝臓・脂肪組織・腸で比較する、③脂質吸収性を比較する。これらの比較を行うことにより、抗肥満代謝物の作用メカニズム解明の糸口とする。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 9件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)
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