T細胞抗原認識に伴う解糖系の活性亢進は、グルタミン代謝の活性化に必要であり、グルタミンはmTORの持続的活性を介して解糖系の活性化を維持していることが分かった。つまり、解糖系とグルタミン代謝はフィードフォワードループを形成することでTCRやサイトカイン受容体を介したシグナルを遷延させ、T細胞の活性化を維持している可能性が示唆された。今回の結果から、抗原認識に伴うT細胞における解糖系活性化は、正常なT細胞依存的免疫応答の誘導に必須であるとともに、免疫疾患治療の治療標的になることが明らかとなった。また、グルタミンがオートファジーの調節を介してT細胞老化を制御している可能性も見出している。
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