研究課題
R5年度は、RB1の新規標的として見出したELOVL6のがん治療標的としてのproof of concept を蒐集した。ELOVL6阻害がC16脂肪酸の蓄積によってセラミドが増加、これが細胞死を誘導するメカニズムと耐性発現機構にAKTが関与する事を見出した。また、ELOVL6阻害がSTING経路の活性化を介して数種類のケモカインの発現変化に繋がる経路を見出した。正常乳腺細胞におけるRB1とAMPKの関係の探索は、RB1によるMycやRasの正の制御という意外な知見をもたらした。この経路を引き続き探索しRB1によるRASシグナル制御にp130が関与する可能性を見出した。KRAS変異がん(肺がん、大腸がん、膵臓がん)に対してCDK4/6阻害剤を適応拡大する挑戦を続けた。CDK4/6阻害に対する抵抗性発現機序にRB1とEGFR/Rasシグナルが関連することを見出した。このメカニズムにSASPが深く関与することを明らかにした。また、KRAS阻害剤とCDK4/6阻害剤の作用の比較から、RB1-RAS系への介入の薬理的・臨床的意義を考察、二剤のKRAS-MAPKヘの影響のキネティックスの違いがSASPを誘導するかどうかを決定することを見出した。さらに、膵臓がん発症モデルマウス用い、CDK4/6阻害剤コンビネーション治療の前臨床試験を進めた。RB1の近傍に位置しこれと高頻度に共欠失するSUCLA2遺伝子の解析を行ってきた。SUCLA2遺伝子欠失細胞を特異的に傷害する化合物を見出しこの創薬展開を行っている。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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