悪性脳腫瘍であるグリオーマに対する治療薬は現在のところアルキル化剤テモゾロミド(TMZ)のみであり、そのTMZに対しても最終的に耐性が出現することから、新規治療法の開発が喫緊の課題である。本研究では神経膠腫に最も高頻度に認められるATRX変異に着目し、TMZに対する合成致死性メカニズムをゲノムワイドCRISPR loss-of-functionスクリーニングにより解析した。その結果、ATRX野生型と変異型のグリオーマ細胞はTMZに対して異なる脆弱性を有することを発見した。今後分子機構を詳細に解析することで、TMZの感受性を高めるコンビネーション療法や患者層別化マーカーの開発を推進していく。
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