これまでに研究代表者は、免疫チェックポイント阻害薬抵抗性を示すKRAS-LKB1変異(KL)型非小細胞肺がん(NSCLC)において、細胞質内DNAセンサーであるSTINGの不活性化が免疫原性低下に寄与することを明らかにした。そこで本研究では、薬剤スクリーニングによりSTING経路を活性化する薬剤を探索し、紡錘体チェックポイントキナーゼMPS1に対する阻害薬が、KL型NSCLCに対して微小核形成を介してSTING経路を効率的に活性化することを見出した。またKL型NSCLCマウスモデルにおいて、MPS1阻害剤の奏功にはSTING依存的なCD8陽性T細胞の腫瘍内遊走が重要であることを明らかにした。
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