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2020 年度 実績報告書

T細胞共刺激性膜貫通リガンド蛋白搭載ウイルスベクター開発と革新的癌治療法への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20H03529
研究機関三重大学

研究代表者

野阪 哲哉  三重大学, 医学系研究科, 教授 (30218309)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードT細胞共刺激分子 / ウイルスベクター / 抗腫瘍ウイルス / 細胞傷害性T細胞 / 腫瘍免疫 / OX40 / 4-1BB / GITR
研究実績の概要

CT26大腸がん細胞を同系統マウスの複数個所に同種移植し、5~7 mm径に増殖した時点でがん組織の1ヵ所に抗腫瘍ウイルスを隔日で3回腫瘍内投与(1回あたり2X107 PFU in 50uL PBS)し、投与部位、遠隔部位の腫瘍が縮小・退縮するか、観察した。陽性コントロールとして、抗OX40アゴニスト抗体+CpGを投与した。
各グループ、最低5匹のマウスを用いた。BC-PIVに挿入する外来遺伝子となるT細胞共刺激分子はマウスOX40L、4-1BBL、GITR(Glucocorticoid induced TNFR-related protein)L、CD30L、CD70(CD27L)を用いた。これら5種のコンストラクトに搭載された蛋白の発現をWestern blot解析によって確認した後、各々担がんマウスに投与し、有効性・安全性の高い分子を選別した。さらに、異なる2分子を縦に同時挿入したコンストラクトも作製した。これらの中から有効性・安全性の面で最も優れているものをスクリーニングし、最終候補物として選定した。最終候補物は抗OX40アゴニスト抗体+CpG投与群よりもさらに強い抗腫瘍効果を示し、遠隔部位も含めて腫瘍を消失させた。
並行して、T細胞活性化抗腫瘍ウイルスの分子生物学的、免疫学的解析として、市販の各種受容体タンパク質を用いたELISAによるリガンド-受容体結合を検出した。また、ネイティブPAGEを用いたWestern blot法によって、各膜貫通型リガンド蛋白が3量体として組換えウイルス粒子上に搭載されていることも確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度は、緊急性を要する他のプロジェクト(新型コロナウイルスワクチン開発)にかなり時間を割いたが、本研究に関してはこれまで積み上げてきた成果も蓄積されており、比較的順調に進展させることができた。

今後の研究の推進方策

今後はこれまでに得られた結果の確認実験を行うとともに、より詳細な免疫学的解析を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Tet1 is not required for myeloid leukemogenesis by MLL-ENL in novel mouse models.2021

    • 著者名/発表者名
      Ono R, Masuya M, Inoue N, Shinmei M, Ishii S, Maegawa Y, Mahrjan BD, Katayama N, Nosaka T.
    • 雑誌名

      PLosONE

      巻: 16(3) ページ: e0248425

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0248425

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Genetic polymorphisms and vincristine-induced peripheral neuropathy in patients treated with rituximab, cyclophosphamide, doxorubicin, vincristine, and prednisone therapy.2020

    • 著者名/発表者名
      Sawaki A, Miyazaki K, Yamaguchi M, Takeuchi T, Kobayashi K, Imai H, Tawara I, Ono R, Nosaka T, Katayama N.
    • 雑誌名

      Int J Hematol

      巻: 111 ページ: 686-691

    • DOI

      10.1007/s12185-020-02832-x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 血液腫瘍モデル動物の現状と展望. In: 金倉譲 編集. 造血器腫瘍学(第2版)-基礎と臨床の最新研究動向-. II. 造血器腫瘍の基礎2020

    • 著者名/発表者名
      小埜良一、野阪哲哉
    • 雑誌名

      日本臨床

      巻: 78 増刊号3 ページ: 152-158

  • [学会発表] Tet1 is not necessarily essential for MLL-ENL-induced myeloid leukemia2020

    • 著者名/発表者名
      Ryoichi Ono, Masahiro Masuya, Makoto Shinmei, Satomi Ishii, Yuri Maegawa, Bishnu Devi Maharjan, Naoyuki Katayama, Tetsuya Nosaka
    • 学会等名
      第82回日本血液学会学術集会
  • [備考] 三重大学大学院医学系研究科 感染症制御医学・分子遺伝学分野

    • URL

      https://www.medic.mie-u.ac.jp/microbiol/

  • [備考] 三重大学卓越型研究施設 次世代型VLPワクチン研究開発センター

    • URL

      https://www.mie-u.ac.jp/research/vlp-vakzin/

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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