BC-PIV/GITRL-OX40Lは第3世代TAV(T cell-signaling anti-tumor virus)として著効を示すが、リガンドに対する各受容体の発現が一過性であるために、これらシグナルを介した抗腫瘍効果を得るための投与タイミングの見極めが容易ではないことが明らかになってきた。さらに、細胞傷害性T細胞の疲弊の問題もある。一方、現在のヒトのがん免疫療法では、PD-1系の阻害薬とのコンビネーションで広く効果を示す「万能抗がん剤」の開発が求められている。我々はCT26細胞移植モデルを用いてBC-PIV/OX40Lと抗マウスPD-1抗体の共投与の効果を調べたところ、増強効果がないことが判明した。そこで、各種サイトカイン、ケモカインをBC-PIVを用いて発現させるベクターを作製し、抗マウスPD-1抗体との共投与実験(単独または複数投与での抗マウスPD-1抗体との共投与)を行ったところ、抗マウスPD-1抗体と非常に相性のよいサイトカイン、ケモカイン(の組み合わせ)を同定することができた。すなわち、アクセルを踏み込むタイミングを見極めることはむずかしいが、アクセルを無理に踏みこまずとも、ブレーキを解除した状態で、実行部隊が疲弊せず、効率よく現場へ直行できる状態を誘導すれば、安定した抗腫瘍効果が得られることが判明した。以上の結果は現在のオプジーボなどの奏効率を飛躍的に上昇させる可能性を示唆しており、興味深い。
|