• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

腫瘍溶解ウイルスを用いた横紋筋肉腫に対するCAR-T細胞療法補完システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20H03532
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

細井 創  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20238744)

研究分担者 中屋 隆明  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80271633)
家原 知子  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20285266)
菊地 顕  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (40453104)
柳生 茂希  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10572547)
吉田 秀樹  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10643546)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード腫瘍溶解性ウイルス / CAR-T療法 / T-reg / エフェクターサイトカイン
研究実績の概要

【背景】本研究では、エフェクターサイトカインを分泌し、CAR-T細胞を活性化させるOAdを開発することでRMSに対する特異的CAR-T細胞治療の効果を強化するとともに、si-Foxp3を分泌しTregの機能を低下させるOAdを開発し、さらにこれらを組み合わせることで、より効果的な抗腫瘍作用を発揮する複合的細胞遺伝子治療法を開発することを目的とする。
【方法】①CAR-T細胞を活性化させるエフェクターサイトカイン分泌型OAdの開発。②抗腫瘍核酸を搭載したsi-Foxp3分泌型OAdの開発。③CAR-T細胞の抗腫瘍効果を最大限に高める、”Armed-OAd”併用遺伝子細胞治療の開発
【成果】① エフェクターサイトカインの選定:IL7, IL12, IL15の3つを比較し、CAR-Tの抗腫瘍効果を最も高めるものを、ウイルスに遺伝子導入する予定である。現在の最適条件を検討中である。②Tregの培養:研究者の末梢血を用いて、CD4陽性T細胞を単離し、Tregへの分化・誘導が可能であることを確認した。③SiRNAを用いてTregのFOXP3をKD:ポジコンであるJurkatほどのKD効率が得られなかったため、別のSiRNAやCrisprを検証中である。④OAdの開発。MYOGプロモーター制御型OAdをもとに、E1geneの後にサイトカインやSiRNAをつないだコンストラクトを作製中である。⑤Armed-OAd併用による、CAR-Tの抗腫瘍効果の検証(現時点で到達していない)。ウイルスが作製次第、CAR-Tとの併用効果をin vitro, in vivoで検証する予定である。
【意義・重要性】これらのOAd併用による、CAR-T細胞活性化、およびTregの抑制を組み合わせた「がんに対する複合的細胞遺伝子治療」の開発は革新的であり、極めて独創的な新規細胞遺伝子治療のプラットフォームとなると確信する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本プロジェクトは新型コロナウイルスの影響を受け、やや遅れている。
研究代表者以外にも大学院生や技術研究員がこのプロジェクトの遂行を担っている。緊急事態宣言の間、大学院生および科学技術員が自由に研究室を利用することができず、また通勤に支障が生じることもあった。また米国の研究室が数か月ストップしてしまったことでウイルスのバックボーンベクターが届かず、特にウイルス作製において遅れることとなった。ただし、既に米国の研究室は再開しており、ウイルスベクターも到着しているため、この遅れを取り戻すべく、全力を尽くす所存である。

今後の研究の推進方策

昨年度中にサイトカインの選定や、Tregの分化誘導技術など本研究の土台となる実験はほぼ終了している。ウイルスのバックボーンベクターの到着後、既にウイルスコンストラクトの作製に着手している。MYOGプロモーター制御型OAdをもとに、E1geneの後にエフェクターサイトカインやSiRNAをつないだコンストラクトを複数パターン作製し、どのコンストラクトがウイルスとしてassemble可能かを検証する。最適なウイルスが決まれば、増殖・精製し、in vitro, in vivo実験につなげる。コロナウイルスの社会に与える影響は読み切れない部分があるものの、プロジェクトを遂行することは十分可能と考える。

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi