研究課題/領域番号 |
20H03550
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 正晃 北海道大学, 医学研究院, 講師 (90518325)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | バーチャルリアリティ / 二光子レーザー顕微鏡 / カルシウムイメージング |
研究実績の概要 |
ナビゲーションや空間記憶に重要な役割を果たす海馬の錐体細胞は、動物が特定の場所を通過するときに活性化する「場所細胞」としての性質をもつ。我々は過去の研究で、シナプスタンパク質の一つShank2を欠損した自閉症モデルマウスがバーチャルリアリティ空間で空間学習の異常を示すこと、また、その海馬ではランドマーク地点をコードするセルアセンブリ (協調的に働く複数の細胞の集団)の形成に特異的な異常が観察されることを明らかにした。このような機能回路の異常を理解するためには、生後の発達過程の神経回路活動を解析し、その形成と成熟のメカニズムを明らかにすることが必要である。そこで、本研究は、生後発達期の海馬の活動を二光子カルシウムイメージングで明らかにすることを目的としている。 本年度は以下の研究を行った。生後初期のG-CaMP7トランスジェニックマウスのイメージングのために、小型化したチタン製のヘッドプレートおよびヘッドプレートホルダーを設計して作成した。しかし生後直後のマウスは小さくて扱いにくかったため、マウスよりも大きいラットを用いた実験系を立ち上げた。生後間もないラットの脳に蛍光カルシウムセンサータンパク質を発現するAAVベクターを注入し、1-2週間の後に切片を作成して発現を確認したところ、いくつかの候補のうちの特定のプロモーターのみが、生後ラットの海馬で外来遺伝子の良好な発現を引きおこすことを明らかにした。生後2-3週のラットの頭部にヘッドプレートを装着してバーチャルリアリティ環境に置いたところ、トレッドミル上で問題なく自発歩行できることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラットを用いた海馬神経回路の生後発達の実験系の確立に目処が立ちつつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度行った幼若動物のカルシウムイメージングの実験系を用いて、生後発達期の神経回路活動の特徴を明らかにする。ラットを実験に用いる場合は、バルプロ酸を投与した自閉スペクトラム症モデル動物を作成して用いるなどの方向性が考えられる。
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