研究課題/領域番号 |
20H03562
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
千原 典夫 神戸大学, 医学部附属病院, 特命講師 (70781821)
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研究分担者 |
松本 理器 神戸大学, 医学研究科, 教授 (00378754)
古屋敷 智之 神戸大学, 医学研究科, 教授 (20362478)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 多発性硬化症 / 個別化医療 / PD-1 / c-Maf / 共抑制性受容体 |
研究成果の概要 |
多発性硬化症患者で良好な経過を反映するPD-1陽性CD8陽性T細胞において、PD-1と共発現する遺伝子について網羅的遺伝子発現解析を行い、複数のT細胞機能低下状態に共通する抑制性遺伝子群を含む遺伝子プログラムを同定した。転写因子c-Mafによる遺伝子発現制御によってT細胞のこの遺伝子プログラムが制御されていた。c-MafはヒトCD8陽性T細胞にPD-1などの共抑制性受容体の遺伝子発現および蛋白発現を誘導し、抑制性サイトカインIL-10の産生を促進した。さらに、c-Maf陽性CD8陽性T細胞はMSで病原性とされる同種のCD4陽性T細胞の生存を抑え、免疫制御能を持つことを明らかにした。
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自由記述の分野 |
神経免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、MS患者の病勢や治療反応性を反映したCD8陽性T細胞亜分画を新たに同定し、その免疫制御機能を発見した。このT細胞亜分画は進行性の良好な経過を反映した新たなバイオマーカーとして用いることができるのみならず、そのPD-1と共発現する遺伝子群が神経障害の進行する患者の予防する新規治療標的となる可能性があり、今後さらに検討を行ってゆく。
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