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2021 年度 実績報告書

悪液質に伴うサルコペニア治療の新たな標的としてのカテプシンKに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20H03574
研究機関名古屋大学

研究代表者

葛谷 雅文  名古屋大学, 未来社会創造機構(医), 教授 (10283441)

研究分担者 黄 哲  名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (30745112)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードサルコペニア / 悪液質 / カテプシンK
研究実績の概要

6週齢のC57BL/6Jマウスにマウス肺癌細胞株(Lewis lung carcinoma, LLC)を側腹皮下に移植し、28日後にサンプリングし評価したところ、非移植対照群と比較し有意な骨格筋の萎縮・筋力・身体機能の低下(サルコペニア)を認めた。さらに、骨格筋におけるカテプシンK (Cat-K)の高発現、炎症、さらには筋タンパク同化に関わるAKT, mTORなどのリン酸化の抑制、またその上流のinsulin receptor substrate 1 (IRS1)の分解・不活性化を認めた。一方でCat-K 遺伝子欠損マウスでは移植した腫瘍の増大には影響を認めなかったが、サルコペニアは抑制され、筋肉におけるMCP-1, TNFαなどの炎症関連タンパクの発現低下、筋タンパク同化シグナルのリン酸化ならびにIRS1レベルは腫瘍を移植していない対照と大きな差を認めなかった。細胞実験ではCat-Kの発現の抑制により腫瘍細胞培養上清により誘導されたIRS1のユビキチン化を介した分解・不活性化が抑制され、さらにCat-Kの強制発現によりIRS1のユビキチン化が増強した。Cat-KはIRS1の268から574アミノ酸の間で結合し分解することが突き止めた。
これらの研究より、Cat-Kは悪液質による骨格筋で強発現し、筋肉におけるIRS1のユビキチン化を介して分解・不活性化し、筋肉におけるタンパク質同化反応を抑制し、サルコペニアの出現を増強することが明らかになった。さらに我々はCat-Kは筋肉細胞においてでカスパーゼの活性化を介してアポトーシスを誘導すること、またTLR2,4の発現を増強し炎症を誘導することを報告しており、腫瘍による悪液質に伴う二次性サルコペニアに対してCat-Kがこの病態の予防・治療に対する重要な分子標的であることを明らかにした。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Cathepsin K activity controls cachexia-induced muscle atrophy via the modulation of IRS1 ubiquitination.2022

    • 著者名/発表者名
      Meng X, Huang Z, Inoue A, Wang H, Wan Y, Yue X, Xu S, Jin X, Shi GP, Kuzuya M, Cheng XW.
    • 雑誌名

      J Cachexia Sarcopenia Muscle.

      巻: 13(2) ページ: 1197-1209

    • DOI

      10.1002/jcsm.12919.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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