• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

脳トランスクリプトームを起点としたAPOE4による認知症発症促進メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20H03578
研究機関広島大学

研究代表者

山崎 雄  広島大学, 病院(医), 助教 (70866243)

研究分担者 高橋 哲也  広島国際大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (00435942)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードアルツハイマー病
研究実績の概要

本研究計画では、強力なアルツハイマー病発症リスク遺伝子:APOE4が認知症発症を促進させるメカニズムの解明を明らかにする。申請者はAPOE4脳特異的に発現しアルツハイマー病理を促進させる分子を、脳トランスクリプトーム解析により既に同定しており、この知見をもとに全研究期間内で以下の①-⑤の実験計画を遂行する。
すなわち、①アンチセンスオリゴ(ASO)を用いた分子Xの脳内制御法の開発、②ASOにより分子Xが脳内制御法されたAPOE4マウスモデルの構築、③APOE4マウスモデルにおけるアルツハイマー病関連病理の解析、④分子Xとアルツハイマー病関連分子との生化学的関連性を明らかにするための剖検脳コホートの構築、⑤剖検脳コホートの解析による分子Xのアルツハイマー病病態における位置づけの確立、である。令和2年度は、以下の①、②、④を遂行した。

①ASOを用いた分子Xの脳内制御法の開発:申請者らは培養細胞に対し効果的な分子X抑制効果をもつASO配列をすでに同定している。令和2年度は、そのASO配列が生体内でも同様の分子X抑制効果を示すかの検証を行った。具体的には、異なる週齢のマウスに脳定位的なASO投与を行い、分子XのmRNA発現量をリアルタイムPCR検査により比較・定量することで検証した。現在、投与方法/条件の最適化を継続している。
②ASOにより分子Xが脳内制御法されたAPOE4マウスモデルの構築:①と並行して実験用マウスコホートの構築に着手した。具体的には、理研より供与されたAPPノックインマウスとヒト化APOEマウスの交配を開始し、系統の純化、コロニーの拡大を進めている。
④分子Xとアルツハイマー病関連分子との生化学的関連性を明らかにするための剖検脳コホートの構築:高齢者ブレインバンク(東京都健康長寿医療センター)より剖検脳を入手するために必要な、疫学研究に係る諸手続きを開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

上記概要に記したように、本研究課題は①-⑤の研究項目から構成されている。令和2年度は、①②④の前半部分を遂行することが計画されていた。以下に再掲するように、これらの研究計画は概ね予定通りに開始できた一方、定位脳手術器具の機械トラブルにより①にかけられるエフォートが予定を下回った。そのため、全体の進捗としては「やや遅れている」と考えられる。
①ASOを用いた分子Xの脳内制御法の開発:申請者らは培養細胞に対し効果的な分子X抑制効果をもつASO配列をすでに同定している。令和2年度は、そのASO配列が生体内でも同様の分子X抑制効果を示すかの検証を行った。具体的には、異なる週齢のマウスに脳定位的なASO投与を行い、分子XのmRNA発現量をリアルタイムPCR検査により比較・定量することで検証した。現在、投与方法/条件の最適化を継続している。
②ASOにより分子Xが脳内制御法されたAPOE4マウスモデルの構築:①と並行して実験用マウスコホートの構築に着手した。具体的には、理研より供与されたAPPノックインマウスとヒト化APOEマウスの交配を開始し、系統の純化、コロニーの拡大を進めている。
④分子Xとアルツハイマー病関連分子との生化学的関連性を明らかにするための剖検脳コホートの構築:高齢者ブレインバンク(東京都健康長寿医療センター)より剖検脳を入手するために必要な、疫学研究に係る諸手続きを開始した。

今後の研究の推進方策

令和3年度も応募時の申請書に記した内容に沿って遂行する。計画①②にかけるエフォートを十分確保できるよう努める。

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi