研究課題/領域番号 |
20H03580
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
若宮 伸隆 酪農学園大学, 農食環境学群, 特任教授 (20210867)
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研究分担者 |
日高 義彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40624713)
井上 徳光 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80252708)
鈴木 定彦 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 教授 (90206540)
大谷 克城 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (90396367)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 臨床検査 / 補体 / レクチン / 抗体 |
研究実績の概要 |
本研究の第1の目的は、日本ではまったく構築されていない国際標準の20項目の検査体制を構築し、日本人における基準値を提示することである。第2の目的は、本補体関連疾患では急性で緊急の病態が主体となるのでベッドサイドで利用できるハイスープット型の検査系が必要になるため、Multiplex system を利用して、一括で且つ迅速検査できるシステムを構築することである。補体系の異常活性化状態を測る検査法がきれば、早期に難病である補体関連疾患患者に抗補体薬の適切な投与が期待でき、学術的には、補体活性化に関与する新たな疾患や病態の解明できる。さらに、新しい治療薬の開発を目指す基盤的な知見をえることが最終的な目的である。現在までの本研究によって、国際標準検査の20項目のうち、もっとも基本的な補体検査系である10項目の検査体制は樹立され、毎年行われている国際補体学会が主導するEQA(外部精度評価)に参加して、日本の機関で唯一の精度保証を受けており、海外からも信頼されている。一方10項目の基準値を公開していることで(Hotai2019, 日本補体学会ホームページ)、日本国内研究者がその基準値を用いて、補体関連疾患患者の研究を進め、2022年に学会で研究報告がなされている(日本補体学会学術集会2022)。また、ハイスープット型の検査系であるMultiplex systemにおいても、同じ血液サンプルを用いて、従来の10項目との比較・検討が順調に進行しており、両者の検査系の妥当性評価は、一定レベルで得られている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの感染拡大による影響に伴い、その重症者に抗補体薬が投与され、その検査に臨床検査用の補体検査試薬が世界中で使用されて枯渇し、試薬の納入遅延が発生した。その間、まだ枯渇していない研究用のハイスープット型の検査系であるMultiplex systemのほうの基準値の整備を工夫して先に行い、その後基準値が順調に構築された。現在は従来の10項目との比較・検討が、おおむね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
1) 欧米では市販され、日本でできていない世界標準20項目の補体検査系の構築 2) 日本人における20項目の補体検査系の基準値策定とモデル疾患の補体値の策定 3) 上記の従来の補体検査系と妥当性を有する、補体検査系Multiplex system の開発 本研究では、上記の1),2), 3)の研究を4年間で行う予定であるが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響に伴い、その重症者に抗補体薬が試験的に投与され、その評価に補体検査試薬が世界中で使用された。同時に臨床に利用されていないその他1の新規検査系の研究が世界中で停滞した。その間、まだ枯渇していない研究用のハイスープット型の検査系であるMultiplex systemのほうの基準値の構築が順調に進んだので、臨床系検査系の物品の納入が回復したので、現在は従来の10項目との比較・検討をまず進めていく。また、大谷と若宮は、世界標準20項目の補体検査系の構築のために、外国の研究室のみで維持されている検査系も含めて、共同研究契約締結後に新たな検査系構築を少しでも、多く進めることも計画している。
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