研究課題
本研究は変形性膝関節症(OA)治療用の臨床グレード脱分化脂肪細胞(DFAT)の製造法を確立するとともに、各種OAモデル動物に対する移植実験を行い、その有効性や安全性を明らかにすることを目的としている。本年度は以下の研究を実施した。① OA治療用臨床グレードDFAT製造法の確立昨年度に引き続きヒト吸引脂肪組織からOA治療用臨床グレードDFATの試験製造を行った。そして試験製造における工程内管理試験や規格試験の結果を元に最終製品の規格を決定した。そしてOA治療用臨床グレードDFATの製造作業手順および品質管理手順を確定した。試験製造にて作製した最終製品(凍結細胞懸濁液)の一部を融解し、特性試験や安定性試験を実施した。その結果、凍結融解後の細胞も、生細胞率、プラスチック接着能、接着後増殖能、細胞表面抗原マーカーにより規定される細胞純度が保持されていることを確認した。② OA動物モデルを用いたDFATの治療効果ラットモノヨード酢酸誘発OAモデルに対するDFAT関節内投与による治療効果を検討した。Wisterラットにモノヨード酢酸1mgを右膝関節内に注射し、翌日DFAT投与群として同種DFAT、またはControl群としてPBSを関節内投与した。1週間毎に両側圧力差痛覚測定装置を用いた疼痛レベルの評価を行い、注射後42日に膝関節軟骨の組織学的評価を行った。その結果、DFAT投与群はControl群に比べ投与側の後肢荷重が高くなり、疼痛が軽減される所見が認められた。また組織学的評価では、DFAT投与群はControl群に比べ軟骨変性が抑制される傾向を認めた。以上の検討により、ラットモノヨード酢酸誘発OAモデルにおいてDFAT関節内投与は軟骨変性および疼痛を抑制することが明らかとなった。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (10件) 備考 (1件)
Journal of Orthopaedic Surgery and Research
巻: 18 ページ: 191
10.1186/s13018-023-03678-9
International Urology and Nephrology
巻: 54 ページ: 789~797
10.1007/s11255-021-03083-3
Stem Cell Research & Therapy
巻: 13 ページ: 319
10.1186/s13287-022-03014-8
Journal of Nihon University Medical Association
巻: 81 ページ: 273~281
10.4264/numa.81.5_273
Pediatric Surgery International
巻: 39 ページ: 58
10.1007/s00383-022-05304-x
http://www.nihon-u.ac.jp/department/saisei/dfat.html