研究課題/領域番号 |
20H03604
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
牧之段 学 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (00510182)
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研究分担者 |
栗本 一基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20415152)
鳥塚 通弘 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20588529)
山室 和彦 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (60526721)
末次 志郎 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (70345031)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 栄養 / エライジン酸 / オレイン酸 / 炎症 / 髄鞘 / 前頭前野 / 社会行動 |
研究成果の概要 |
ネグレクトなどの逆境的小児期体験は精神面に長期に悪影響を及ぼすが、本研究では小児期のトランス脂肪酸の摂取状況がのちの社会行動に与える影響を検討した。髄鞘形成の発達が顕著な生後11日目から45日目までの投与でのみエライジン酸が髄鞘に取り込まれ、長期にわたり髄鞘構造を変化させるとの仮説であったが、オレイン酸投与群においてもエライジン酸が検出された。社会行動が幼若期群エライジン酸群でのみ障害されていたため、RNA-seqとシングルマイクログリアRNA-seqで評価したところ、エライジン酸投与群での顕著な炎症反応亢進や特定のマイクログリアクラスターの異常が確認された。
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自由記述の分野 |
精神医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コロナ禍により児童虐待件数はさらに増加して大きな社会問題となっているが、ネグレクトなどによる不良な栄養環境がのちのメンタルヘルスや脳機能にどういった影響を与えるのかは不明である。本研究では、幼若期と成体期のマウスにマーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸(エライジン酸)と投与し、児童虐待児で認められる髄鞘形成障害や脳内炎症について調べたところ、幼若期に投与されたマウスは社会性が低下し、特定のマイクログリア群が異常となることが確認された。これらの結果により、幼若期の脂質栄養環境は成体期よりも社会性などに悪影響を及ぼすことが示唆された。
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