研究課題/領域番号 |
20H03615
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡部 浩司 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (40280820)
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研究分担者 |
田代 学 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00333477)
四月朔日 聖一 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助手 (30210967)
三宅 正泰 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助手 (40282016)
鈴木 良一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 首席研究員 (80357300)
高浪 健太郎 東北大学, 大学病院, 講師 (90447160)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 核医学 / 内部被ばく |
研究実績の概要 |
本研究では、核医学検査における革新的な内部被ばく推定法を提案し、核医学の新たな個別化医療を実現することを目的とする。本年度は、新しいPET薬剤[F‐ 18]SMBT‐1の測定、解析ソフトウェアの整備、小型線量計の開発の3つを実施した。 内部被ばくの推定においてどこまで正確に組織内の放射能を求めるかが問題となる。そこで、本年度は、PET画像におけるROI(region-of-interest,関心領域)の描出方法と、計算される内部被ばく量との関係性を調べた。その結果、ROIの描出方法により、40%以上の内部被ばく量の結果の違いが観測された。このため、正確な組織内の放射能推定が極めて重要であることが明らかになった。また、臓器間の薬剤の動きを推定するために、CompVisionという名称で、5つまでのコンパートメントを考慮できるモデルを構築した。このソフトウェアは、短時間にモデルを構築し、計算でき、数学的なエラーの抑制にも貢献しうる。 ヒトPETデータからの[F-18]SMBT-1の内部被ばく量を推定することができた。この結果は世界で初めての成果となる。 さらに、新規小型線量計の開発を継続して行った。前年度よりもより小型化に成功し、本線量計により、装着が容易で、軽量かつ精度の高い測定が行えることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、コロナ禍と倫理審査の影響のために、予定していた臨床データの追加測定が1件のみであった。しかし、代わりにシミュレーションを多数実施し、人体モデル構築を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度ではSPECT核種における内部被ばくの応用を進める。また、小型線量計の設置場所についてより精度の高い方法を考案する。ファントム実験を行い、推定精度を評価する予定である。
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