研究課題
本研究では、多数の小型線量計を用いた、核医学検査における革新的な内部被ばく推定法を提案し、核医学の新たな個別化医療を実現することを目的とする。本年度は新たに開発した小型線量計を複数台用意し、その基礎実験を行った。この小形線量計は、完全ワイヤレスでブルーツースにより、母艦となるPCに接続し、線量値をリアルタイムにPCに送ることができる。また、ブルーツースの慎吾強度から線量計の位置情報を得ることができる。実際に、PET検査中に複数の線量計を被検者に設置し、線量計から読み込むことができた。また、精度は高くないが、大まかな距離情報が得られることがわかった。また、本研究で利用できる新たなコンピュータ・プログラムDynamicMCを開発した。このコンピュータプログラムはモンテカルロ・シミュレーションコードParticle and Heavy Ion Transport code System (PHITS) と連携し、放射線源と人体ファントム間の相対的な動きをシミュレートできる。このソフトウェアは、PET用核種だけでなく、任意の放射性同位体のエネルギースペクトルを生成できるようになった。また、骨、肝臓、脾臓などの重要な臓器への吸収線量を計算できる。DynamicMC はより柔軟な動的な動きをシミュレーションでき、本研究以外にも放射線防護や線量評価研究においても有用なツールになると期待できる。さらに、PETの測定において重要である陽電子の散乱断面積について、理論的な論文を公表した。これらの成果は、今後のPET測定の精度向上に貢献することが予想される。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Radiation Protection Dosimetry
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The European Physical Journal D
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https://figshare.com/articles/software/Development_of_DynamicMC_for_PHITS_Monte_Carlo_package/22731920