研究課題
麻酔・鎮静薬はこの意識を強制的に奪う。これまで多彩な麻酔・鎮静薬が開発され、細胞レベルでの作用機序は明らかにされているが、未だいかにして「無意識」を創出するのか詳細は不明である。この理由として脳内ネットワークに対する作用が未解明であることが挙げられる。これに対し本研究では脳機能イメージングとして脳活動の状況を計測することが可能である安静時脳機能MRI法法を用いることで、作用機序の異なる麻酔・鎮静薬による脳領域間の活動ネットワークを全脳領域間にて解析し、いかにして「無意識」を創出するのかを解明する。またヒトでは使用可能な薬剤に限りがあるため、薬物動態や脳機能がヒトと類似している非ヒト霊長類コモンマーモセットを対象とすることで解明を目指す。当研究課題では、(1)超高磁場MRIによるrsfMRI実験、(2)麻酔薬を用いた実験、(3) ネットワーク解析の3段構成で研究を進めることで麻酔薬の影響を見出していく。本年度はこれらの実験を進めるための環境構築や装置開発を主として進めた。 (1) 超高磁場MRIによるrsfMRI実験として、超高磁場MRIによる研究環境を当施設に実装完了と多チャンネルコイルの開発を達成した。また、覚醒下での実験環境に合わせて高感度な信号受信を可能とする多チャンネル表面コイルの開発に成功した。つづいて、(2)麻酔薬を用いた実験として、動物処置や頭蓋骨の手術手技を確立させた。コロナ渦のため物品調達に遅れが生じ、2021年度に若干重なったが、本年度計画の研究内容を達成することができた。
3: やや遅れている
当研究課題では、(1)超高磁場MRIによるrsfMRI実験、(2)麻酔薬を用いた実験、(3) ネットワーク解析の3段構成で研究を進めることで麻酔薬の影響を見出していく。本年度、 (1) 超高磁場MRIによるrsfMRI実験として、超高磁場MRIによる研究環境を当施設に実装完了と多チャンネルコイルの開発を達成した。また、(2)麻酔薬を用いた実験として、動物処置や頭蓋骨の手術手技を確立させた。covid-19の影響で資材調達が遅れたため、”やや遅れている”といった自己評価とした。
麻酔・鎮静薬はこの意識を強制的に奪う。これまで多彩な麻酔・鎮静薬が開発され、細胞レベルでの作用機序は明らかにされているが、未だいかにして「無意識」を創出するのか詳細は不明である。この理由として脳内ネットワークに対する作用が未解明であることが挙げられる。これに対し本研究では脳機能イメージングとして脳活動の状況を計測することが可能である安静時脳機能MRI法(resting state - functional Magnetic Resonance Imaging; rs-fMRI) 法を用いることで、作用機序の異なる麻酔・鎮静薬による脳領域間の活動ネットワークを全脳領域間にて解析し、いかにして「無意識」を創出するのかを解明する。またヒトでは使用可能な薬剤に限りがあるため、薬物動態や脳機能がヒトと類似している非ヒト霊長類コモンマーモセットを対象とすることで解明を目指す。当研究課題では、本年度 (1) 超高磁場MRIによるrsfMRI実験として、超高磁場MRIによる研究環境を当施設に実装完了と多チャンネルコイルの開発を達成した。また、(2)麻酔薬を用いた実験として、動物処置や頭蓋骨の手術手技を確立させた。次年度はこれらの環境・技術基盤をもとに、開発した覚醒下での実験環境に合わせて高感度な信号受信を可能とする多チャンネル表面コイルの調整行うことでコモンマーモセットの脳活動計測を試みる。生体のコモンマーモセットを用意し、覚醒下にて計測するためのヘッドポスト手術を行い、覚醒下にて安定したBOLD信号を得るために、3ヶ月ほどMRI環境や騒音を合わせた馴化トレーニングを実施したのちに基準データとなる覚醒下での安静時fMRI実験を行う計画である。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 5件)
Brain Structure and Function
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