研究課題
ミトコンドリアは、生体内代謝のハブである。特にエネルギー産生の最終経路である呼吸鎖複合体は生体内のエネルギーであるATP産生の殆どを担っており、呼吸鎖複合体の遺伝子変異による疾患研究は、後年発症の多くの疾患の予防薬治療薬を提供する可能性がある。呼吸鎖複合体活性は加齢とともに減少するため、呼吸鎖複合体機能改善薬は加齢と関連して発症するParkinson病、アルツハイマー病、糖尿病などの治療薬になりうる。まれな小児疾患を研究が、後年発症の多因子疾患の予防薬や治療薬を提供することで広く社会貢献できる。ミトコンドリア病の治療薬は、イデベノンが、ミトコンドリア病のレーバー遺伝性視神経炎に対する治療薬として、欧州において限定的に認可され、タウリンが、MELAS症候群における脳卒中様発作の抑制に日本において承認されているのみであり、大きなunmet medical needsとなっている。我々は、ミトコンドリア病患者の細胞を用いた研究において、Apoが、標的分子である酵素Xの活性を増強することにより、フェロトーシス阻害作用とATP産生増強作用を示すことを見出した。フェロトーシスが関連する疾患としては、神経変性疾患、虚血再灌流が関与する多くの疾患や糖尿病等が知られている。また、この酵素Xは、酸化還元反応によりNAD+と還元型CoQ10を増加させる。一方、NAD+も還元型CoQ10も加齢とともに減少し神経変性疾患や老化等様々な病態に関わることが知られており、Apoを基に開発した酵素Xの活性向上剤は、フェロトーシス阻害作用とATP産生増強作用とを併せ持つ、全く新規の作用様式である
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)
Mol Genet Metab Rep
巻: 34 ページ: 100951
10.1016/j.ymgmr.2022.100951
Int Heart J
巻: 63 ページ: 970-977
10.1536/ihj.21-859.