研究課題
本年度は、課題の最終年度として十分な進捗が認められた。課題初年度には、ヒト腸細胞が、我々の開発した特殊な培養法で、再現性を持って多数のサンプルで培養可能であること、さらにこれらの細胞が胎児腸上皮細胞に近似することが明らかとなり、本課題の重要なテーマである「細胞レベルので若返り」に関するエビデンスを構築することができた。課題2年度には、その胎児性を明瞭にするため、腸が発生する内胚葉原基に由来する他の代表的臓器である肝臓を形成する肝細胞系譜への誘導、ならびにその逆ベクトルの肝細胞からの腸上皮細胞誘導の可能性を検証を行い、特殊な培養条件で遺伝子操作を経る事なくHepatocyte系譜のフェノタイプを獲得できる可能性を明らかにする事ができた。最終年度には複数のサンプルにおいて追試・確認を行うなどの実績を上げることができた。当該課題を等して明らかとなった腸上皮細胞が胎児化する際の細胞特性の詳細な同定は論文として公表した。当該研究の成果によって、腸上皮細胞と肝細胞という一見全く異なる細胞の互換性の検証は、iPS細胞を主に研究対象とする医学・再生医療研究において、新しい発展性を有している。細胞機能解析や運命変換のメカニズムに特化・深化させた新しい研究テーマの創出など、今後ますますの発展が期待される。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件)
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