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2020 年度 実績報告書

食道がん化における初期のゲノム異常の解明-多発ヨード不染の網羅的ゲノム解析-

研究課題

研究課題/領域番号 20H03660
研究機関京都大学

研究代表者

横山 顕礼  京都大学, 医学研究科, 助教 (20515514)

研究分担者 玉置 将司  京都大学, 医学研究科, 医員 (00796948)
小川 誠司  京都大学, 医学研究科, 教授 (60292900)
垣内 伸之  京都大学, 医学研究科, 助教 (90839721)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードがんの起源 / 食道扁平上皮がん / 上皮内腫瘍 / ヨード不染色 / 飲酒 / 喫煙
研究実績の概要

本研究は、内視鏡所見から視認できる食道がんの起源となるヨード不染の病理学的所見とゲノム異常を対比することで、上皮内腫瘍発生までに獲得される食道がん化初期のゲノム異常を解明するとともに、食道がん化におけるゲノム異常の全貌を明らかにすることを目的としている。本研究の研究実施計画は、本研究では、内視鏡下にヨード不染を狙撃生検し、実体顕微鏡下に、内視鏡生検内の1つのヨード不染色から1つずつ微小サンプルを採取する「Solitaryサンプリング」、内視鏡生検の1つのヨード不染から多数の近接した直径0.5mmの微小サンプルを採取する「High-density サンプリング」、そして、「単一細胞培養」の3つの手法によるサンプル採取から網羅的ゲノム解析を行う計画である。「Solitaryサンプリング」のみならず、「High-density サンプリング」や「単一細胞培養」からのシーケンスを組み合わせて行うことは、ゲノム異常の頻度比較のみならず、クローン進化やシグニチャー解析の観点での比較が可能となり、極めて独自性が高いと考える。本研究の遂行により、食道がん発生の自然史におけるゲノム異常を理解することで、リスクの層別化からがんの予防の研究が進捗することが期待でき、食道がんのみならず、頭頸部、肛門管といった扁平上皮領域において幅広い予防医学研究への適応可能と考えられる点で、本研究は創造性に富むものである。2020年度は、「Solitaryサンプリング」として、がんの起源であると考えられるヨード不染色で病理診断が非腫瘍部または低異型度上皮内腫瘍をそれぞれ、23サンプルと22サンプルの微小サンプルを採取した。これと対比するために、高異型度上皮内腫瘍以上の異型を有するサンプルを19サンプル、そして、全くの正常と考えられるヨード濃染部から19サンプルの計81サンプルの微小サンプルのゲノム解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

2020年度は、「Solitaryサンプリング」として、がんの起源であると考えられるヨード不染色で病理診断が非腫瘍部または低異型度上皮内腫瘍をそれぞれ、23サンプルと22サンプルの微小サンプルを採取した。これと対比するために、高異型度上皮内腫瘍以上の異型を有するサンプルを19サンプル、そして、全くの正常と考えられるヨード濃染部から19サンプルの計81サンプルの微小サンプルを採取した。
「High-density サンプリング」に関しては、非腫瘍部または低異型度上皮内腫瘍が、4か所と6か所、高異型以上の異型を有する10か所の20か所のヨード不染色域から計113個の微小サンプルを採取して、「Solitaryサンプリング」と「High-density サンプリング」ともに、微量DNAからの全エクソン解析を行った。本研究のタイムラインでは、2020年は、「Solitaryサンプリング」を150サンプル行う予定であったが、「High-density サンプリング」も並行して行い、解析したサンプル数は、予定よりも大幅に多い数となった。

今後の研究の推進方策

2020年度で、「High-density サンプリング」は2021年度に予定されていた目的サンプル数にほぼ達している。2021年度は、現在解析済みの結果をvalidationする意味においても、「Solitaryサンプリング」の中で、特に、がんの起源である非腫瘍部または低異型度上皮内腫瘍のヨード不染色を中心に目標で2020年度の目標であった「Solitaryサンプリング」150サンプルまで、サンプル数を増やす予定である。また、「単一細胞培養」に関しては、ヨード染色を行うと初代培養での細胞増殖が低下する問題に直面しており、現在は、初代培養が不可能な状況である。更なる条件検討、すなわち、培養までの時間や細胞を剥がす際の試薬等の条件検討を行い、最適な細胞分離法を構築する必要がある。以上から、全体としては、2021年度は、「Solitaryサンプリング」に関しては、データの厚みを増すこと、そして、「単一細胞培養」に関しては、条件検討から、適切なプロトコール作成をすることが、本年度の課題である。

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公開日: 2021-12-27  

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