研究課題/領域番号 |
20H03664
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20244345)
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研究分担者 |
大須賀 崇裕 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40619714)
濱口 孝太 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (50866613)
宮西 浩嗣 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (60372819)
村瀬 和幸 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90444918)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ドラッグデリバリーシステム / 膵癌 |
研究実績の概要 |
きわめて予後不良の疾患である膵癌に対する新規治療戦略として、膵癌が単糖を取り込む性質に着目し、新規のドラッグデリバリーシステムを用いた薬剤の開発を進めた。すなわち単糖を抗がん剤内包リポソームに修飾し、高い腫瘍指向性が得られる抗がん剤の開発を多剤併用療法で行うことが本研究の目的であった。 初年度は、in vitroにおいて、膵癌細胞株におけるFDG結合試薬の取り込みについての検討を行なった。FDGに蛍光試薬を結合した試薬を新規に作成し、さらに、蛍光試薬を内包化したリポソームにFDGを結合させ、膵癌細胞への取り込みについてFCMあるいは蛍光顕微鏡にて確認した。 昨年度は、「in vivoでの検討(担癌モデルマウスへの蛍光内包リポソームの集積)」を行なった。膵癌皮下腫瘍マウスモデルの作成に成功し、IVISを用いて、腫瘍組織にFDG結合 Cy5.5内包リポソームが集積していることが確認された。そして、治療に応用するため、膵癌に使用される抗がん剤であるゲムシタビン(GEM)やパクリタキセル(PTX)を内包化したリポソームにFDGを結合させることに成功した。 そして、今年度は、抗がん剤内包リポソームでの治療効果の確認を行なった。すなわち、膵癌細胞の皮下腫瘍モデルを用いてGEM単剤およびGEM+PTXの多剤併用療法内包FDG結合リポソームの抗腫瘍効果を、経時的腫瘍径変化で検討した。まず、GEM単剤を内包化したFDG結合リポソームを投与したマウス群と、FDG未結合リポソーム内包化GEMを投与したマウス群、未治療群との比較検討では、FDG結合リポソームにより治療された膵癌皮下腫瘍モデルマウスは、より腫瘍増大速度が抑えられている傾向であった。さらに、併用療法でも、治療効果が良好な傾向であった。以上より、FDG結合リポソーム内包化抗癌剤による併用療法は有効な膵癌に対する治療戦略ある可能性が示された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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