炎症性腸疾患(IBD)は、難治性の慢性腸管炎症性疾患である。依然として根治術は存在せず、多くの分子標的療法が臨床応用されているものの、不十分な効果や、感染症をはじめとした副作用が依然として大きな問題である。本研究は、多数の分子を標的として細胞内シグナルを調整するmiRNAに着目し、腸管炎症T細胞特異的なmiRNA-221/2の発現制御機構と腸炎病態および腸管粘膜免疫における生物学的意義を明らかとするとともに、Th細胞サブセットの垣根を超えた炎症惹起性Th細胞全体を標的とする全く新しい治療アプローチの開発の基盤となりうる知見を報告した。
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