研究課題/領域番号 |
20H03671
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
倉林 正彦 群馬大学, その他部局等, 名誉教授 (00215047)
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研究分担者 |
磯 達也 群馬大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (10400756)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | エネルギー代謝 / 脂肪酸 / 遺伝子発現 / ケトン体 / 酸化ストレス |
研究成果の概要 |
心臓で産生されるATPの70%はミトコンドリアにおける脂肪酸酸化に由来することから脂肪酸代謝の恒常性の変化は心機能に大きな影響を与える。本研究では脂肪酸の代謝産物であるケトン体と代謝ホルモンであるFGF21が心臓のエネルギー代謝に与える影響について解析した、この結果、ケトン体とFGF21は協調的に心筋のエネルギー代謝において中心的な役割を持つPPARaやPGC-1aの発現を活性を促進すること、および抗酸化ストレス反応を増強して細胞保護効果を発揮することが明らかになった。ケトン体とFGF21は、エネルギー枯渇と酸化ストレス増加がその病態の中心となる心不全の新規治療に貢献することが示唆された。
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自由記述の分野 |
循環器内科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心臓は生体で最もエネルギー産生が活発な臓器であり、脂肪酸酸化によるATP産生が全ATP産生の70%を占める。そのため、脂肪酸の酸化と合成は心臓の機能を維持する上で重要である。私たちは脂肪酸伸長酵素が細胞膜のリン脂質中の脂肪酸組成の決定に大きな役割を持つことを明らかにした。また、エネルギー枯渇に対する適応として肝臓で産生されるケトン体が、脂肪酸の燃焼・酸化を調節するかを検討した結果、ケトン体およびFGF21が脂肪酸酸化に重要な転写因子PPARaと転写コファクタPGC-1aの発現を増加し、抗酸化機能を増強させることを示した。ケトン体とFGF21が心不全治療における新たな治療方法になる可能性がある。
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