細胞内コレステロール代謝を基軸とした炎症慢性化機序の解明

2022 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 20H03679
• 研究機関: 日本医科大学
• 研究代表者: 大石 由美子 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (80435734)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: マクロファージ

研究実績の概要

マクロファージが炎症刺激を受けて活性化されると、細胞内（特に、エンドソームおよびリソソーム）にコレステロールが蓄積することを見出した。コレステロール増加には、LDLとしてのコレステロールの取り込みやコレステロール合成の活性化、リポファジーが寄与すると考えられた。さらに、エンドソームおよびリソソームに増加したコレステロールは、細胞膜下にありTLR4受容体のアダプター分子として働くMyd88に直接結合し、そのシグナルを増幅するのに必須であった。また、リソソームのコレステロールと結合し細胞外に排出する作用をもつポリロタキサン（PRX）は、マクロファージの炎症を抑制できるだけでなく、動脈硬化モデルマウス（LDLR欠損マウス）の動脈硬化プラークの形成や進展を抑制できることも明らかとした。このことから、マクロファージの細胞内コレステロール量を調節することによって、細胞機能としての炎症応答を制御できること、マクロファージの細胞内コレステロールを標的とした動脈硬化治療が可能であることが明らかとなった。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] Cheng Y, Manabe I, Hayakawa S, Endo Y, and Oishi Y. Caspase-4 contributes to Site-1 protease cleavage and SREBP1 activation in the inflammatory response of macrophages. (2023)
  • 著者名/発表者名: Cheng Y, Manabe I, Hayakawa S, Endo Y, and Oishi Y.
  • 雑誌名: Frontiers of Immunology 巻: 14 ページ: 1009973
  • DOI: 10.3389/fimmu.2023.1009973
  • 査読あり
• [雑誌論文] Development and Regeneration/Healing as Potential Therapeutic Targets. (2023)
  • 著者名/発表者名: Yoshimoto Y, Oishi Y.
  • 雑誌名: Pharmacology & Therapeutics 巻: 1 ページ: 108357
  • DOI: 10.1016/j.pharmthera.2023.108357
  • 査読あり
• [雑誌論文] Hayakawa S, Tamura A, Nikiforov N, Koike H, Kudo F, Cheng Y, Miyazaki T, Kubekina M, Kirichenko T, Orekhov A, Yui N, Manabe I, Oishi Y. Activated cholesterol metabolism is integral for innate macrophage responses by amplifying Myd88 signaling. (2022)
  • 著者名/発表者名: Hayakawa S, Tamura A, Nikiforov N, Koike H, Kudo F, Cheng Y, Miyazaki T, Kubekina M, Kirichenko T, Orekhov A, Yui N, Manabe I, Oishi Y.
  • 雑誌名: JCI Insight 巻: 7 ページ: e138539
  • DOI: 10.1172/jci.insight.138539
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Depletion of CD206+ M2-like macrophages induces fibro-adipogenic progenitors activation and muscle regeneration (2022)
  • 著者名/発表者名: Nawaz A, Bilal M, Fujisaka S, Kado T, Aslam M, Ahmed S, Okabe K, Igarashi Y, Watanabe Y, Kuwano T, Tsuneyama K, Nishimura A, Nishida Y, Yamamoto S, Sasahara M, Imura J, Mori H, Matzuk M, Kudo F, Manabe I, Uezumi A, Nakagawa T, Oishi Y and Tobe K.
  • 雑誌名: Nat Commun 巻: 13 ページ: 34191
  • DOI: 10.1038/s41467-022-34191-y
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Cyclic stretch regulates immune responses via tank-binding kinase 1 expression in macrophages. (2022)
  • 著者名/発表者名: Nakagawa A, Hayakawa S, Cheng Y, Honda A, Yuzawa R, Ogawa R and Oishi Y.
  • 雑誌名: FEBS Open Bio 巻: 10 ページ: 13526
  • DOI: 10.1002/2211-5463.13526
  • 査読あり
• [雑誌論文] Mechanisms of Cooperative Cell-Cell Interactions in Skeletal Muscle Regeneration. (2022)
  • 著者名/発表者名: Koike H, Manabe I and Oishi Y.
  • 雑誌名: Inflammation and Regeneration 巻: 42 ページ: 48
  • DOI: 10.1186/s41232-022-00234-6
  • 査読あり
• [雑誌論文] Contribution of Non-Coding RNAs to Anticancer Effects of Dietary Polyphenols (2022)
  • 著者名/発表者名: Hayakawa S, Ohishi T, Oishi Y, Isemura M, Miyoshi N.
  • 雑誌名: Antioxidants 巻: 11 ページ: 2352
  • DOI: 10.3390/antiox11122352
  • 査読あり
• [学会発表] 筋再生・修復を主導する間質細胞間ネットワーク解析 (2022)
  • 著者名/発表者名: 大石由美子
  • 学会等名: 第45回日本分子生物学会大会ワークショップ
  • 招待講演
• [学会発表] 細胞内コレステロールによるマクロファージ機能の制御 (2022)
  • 著者名/発表者名: 大石由美子
  • 学会等名: 第95回日本生化学会大会 シンポジウム
  • 招待講演
• [学会発表] Immunometabolism as a novel therapeutic target of atherosclerosis (2022)
  • 著者名/発表者名: 大石由美子
  • 学会等名: 第29回 国際高血圧学会 シンポジウム
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 転写因子KLF5による筋萎縮の制御と新規治療への展開 (2022)
  • 著者名/発表者名: 大石由美子、小池博之
  • 学会等名: 第8回筋学会シンポジウム
  • 招待講演
• [学会発表] シングルセルトランスクリプトームから読み解く筋再生・修復メカニズム (2022)
  • 著者名/発表者名: 大石由美子
  • 学会等名: 第51回日本心脈管作動物質学会シンポジウム
  • 招待講演
• [学会発表] 加齢による筋損傷後再生不全のメカニズム (2022)
  • 著者名/発表者名: 大石由美子
  • 学会等名: 第64回日本老年医学会
  • 招待講演
• [備考] 日本医科大学 代謝・栄養学 ホームページ
  • URL: https://www.nms.ac.jp/college/schoolroom/kisoigaku/taisya-eiyougaku.html