本研究で実施した全ゲノム関連解析により、アジア人集団で既に報告されている10座位と欧米人集団で報告されている2座位が本研究で検証された。さらに、7つの新規遺伝子座(PTPRG、TERC、BTN2A1、HLA-C、HLA-DQB1、BAK1、ASB15)が本研究で確認された。BTNL2、BTN2A1遺伝子はγδ T細胞の分化誘導に寄与することが知られており、BTNL2、BTN2A1といったブチロフェリン様遺伝子のリスクバリアントが血球中の遺伝子発現量と負の相関を示した。以上の結果より、HLAアレル以外にも肺腺がんの発がんリスクに免疫回避機構が複数関与している可能性を示した。
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