研究分担者 |
森 俊雄 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (10115280)
清野 泰 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50305603)
岡沢 秀彦 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50360813)
糟野 健司 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (60455243)
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研究実績の概要 |
1) 酸化ストレス・イメージング法の開発 64Cu-ATSMを用いた腎臓PET/MRIで, 腎局所における酸化ストレスの可視化を試みた.様々なCKD stageの各種腎疾患患者 (N = 26) に対し 64Cu-ATSMを静注し, 腎臓を含め腹部PET/MRIを撮影した. 解析は両腎上極から下極まで複数面の40関心領域を設定し, standard uptake value (SUV) の平均値を定量化し, 腎機能や蛋白尿を含む臨床的パラメーターとの関連性を検討した.SUVの平均値がeGFRと有意な正相関を認めたため, SUVはRIによる 腎血流で補正を行った. 血流補正SUVと蛋白尿 (Rs = 0.53, P = 0.011) およびL-FABP (Rs = 0.43, P = 0.04) に有意な正相関を認めた. しかし, 血流補正SUVと尿中8-OHdGには相関を認めなかった.64Cu-ATSMを用いたPET/MRIから得られた血流補正SUVは腎予後との関連性が高い尿蛋白やL-FABPと正相関を示した.64Cu-ATSMを用いたPET/MRIで,世界で初めて腎臓の酸化ストレスの可視化に成功した. 2) 腎生検におけるサイクロプリンの発現検討 腎生検におけるサイクロプウリンの蓄積を,抗サイクロプリンモノクローナル抗体を用いた免疫染色で検出可能かを検討した.ポジティブコントロールである移植1時間後腎生検組織では,尿細管間質細胞におけるサイクロプリンの核内沈着を認めたが,ネガティブコントロールである微小変化症例の腎生検組織ではサイクロプリンの核内沈着は非常に少なかった.
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