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2020 年度 実績報告書

紫外線照射による制御性T細胞の誘導と解析―皮膚病変のリキッドバイオプシーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20H03703
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

森田 明理  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30264732)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード紫外線 / 制御性T細胞 / 免疫寛容 / リキッドバイオプシー
研究実績の概要

波長ごとの生物学的な作用(細胞、実験動物、ヒト)を解析する照射装置の開発・整備を行い、紫外線による制御性T細胞 (Treg)の誘導波長はあきらかになりつつある。光線療法後の皮膚病変のTregの誘導について、現在の免疫組織染色では4種類以上の多重染色ができないためわずかなマーカーでしか解析することができず、一方、組織から分離する場合は、組織からの分離も容易ではないばかりか、細胞数が取れなくTregの十分な解析は行えていない。病変部の血液(皮疹血)なら、酵素処理を必要とせず、短時間で解析でき、病変部の環境 (サイトカイン、炎症細胞など) を表しているのではないかと考え、皮膚病変の皮疹血リキッドバイオプシー(皮膚生検時の少量の皮疹血の採取)からの解析を考えた。2020年度は、皮膚病変の皮疹血リキッドバイオプシーのテクニックの確立に成功した。現在の私たちのラボでは、10マイクロリットルの全血から、8000個のCD4陽性細胞、4000個のCD8陽性細胞の分離に成功し、FACS解析(BD、Fortessa X-20)、CyTOF、T細胞レパトア解析、RNAシークエンス解析のすべてが皮疹血からできるようになった。現在、乾癬、皮膚T細胞リンパ腫の病変部から、皮疹血リキッドバイオプシーで微小免疫環境の解析を行うことができ、症例を集積しているところである。あわせて、シングルセルRNAシークエンス解析ができるようにBD Rhapsodyを導入し、セットアップを行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

皮膚病変の皮疹血リキッドバイオプシーのテクニックの確立に成功した。現在の私たちのラボでは、10マイクロリットルの全血から、8000個のCD4陽性細胞、4000個のCD8陽性細胞の分離に成功し、FACS解析(BD、Fortessa X-20)、CyTOF、T細胞レパトア解析、RNAシークエンス解析のすべてが皮疹血からできるようになった。現在、乾癬、皮膚T細胞リンパ腫の病変部から、皮疹血リキッドバイオプシーで微小免疫環境の解析を行うことができ、症例を集積しているところである。

今後の研究の推進方策

311nmナローバンドUVB・308nmエキシマライト・PUVAバス・UVA1照射(治療)前後で、皮膚病変の皮疹血リキッドバイオプシーを行い、リンパ球を分離し、CyTOFによる多重染色、高速セルソーター(BD FACS melody)を用いたシングルセル解析、次世代シーケンサによるトランスクリプトーム解析などを行いメカニズムの解明を進め、誘導されるTregのサブセット解析、さらなる効率的なTregの誘導の基盤開発を進めていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Successful treatment of UVA1-LED for dyshidrotic palmoplantar eczema2020

    • 著者名/発表者名
      Kyoko Ikumi, Tomohiko Kio, Kan Torii, Hideyuki Masuda, Akimichi Morita
    • 雑誌名

      J Dermatol

      巻: 47 ページ: 922-923

    • DOI

      10.1111/1346-8138.15402

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Proenkephalin+ regulatory T cells are expanded clonally by ultraviolet-B exposure and maintain skin homeostasis with a healing function2020

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Shime, Mizuyu Odanaka, Makoto Tsuiji, Takuma Matoba, Masaki Imai, Yoshiaki Yasumizu, Ryuta Uraki, Kiyoshi Minohara, Maiko Watanabe, Anthony John Bonito, Hidehiro Fukuyama, Naganari Ohkura, Shimon Sakaguchi, Akimichi Morita, and Sayuri Yamazaki
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci

      巻: 117 ページ: 20696-20705

    • DOI

      10.1073/pnas.2000372117

    • 査読あり
  • [学会発表] Phototherapy basics and treatment tips2020

    • 著者名/発表者名
      Akimichi Morita
    • 学会等名
      The 46th Annual Meeting of the Taiwanese Dermatological Association (TDA)
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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