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2022 年度 実績報告書

アトピー性皮膚炎における2型自然リンパ球の活性化調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20H03705
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

小林 哲郎  国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 副チームリーダー (60624236)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード皮膚 / 自然リンパ球 / ILC2 / アトピー性皮膚炎
研究実績の概要

(1)ILC2の活性化に関わると報告されているサイトカインであるIL-33、IL-25、TSLPの欠損マウスにMC903を用いてアトピー様皮膚炎を誘導すると、IL-33およびIL-25欠損マウスでは野生型マウスとほぼ同程度の皮膚炎が形成される一方、TSLP欠損マウスではILC2の増殖と皮膚炎が顕著に減弱した。このことからMC903誘導性アトピー様皮膚炎モデルにおいてはTSLPがILC2の活性化に重要であることがわかった。
(2)MC903誘導性アトピー様皮膚炎モデルのシングルセルRNAseq解析を行い、皮膚炎前後におけるILC2における遺伝子変動を比較した。皮膚ILCは発現遺伝子の変動によって14のクラスタに分かれ、皮膚ILCのヘテロジェネイティが明らかとなった。発現が上昇した遺伝子のリストを詳細に解析すると、interferon-γに関連した遺伝子群が浮かび上がってきた。interferon-γの受容体を欠損したIfngrノックアウトマウスにおけるMC903誘導性アトピー様皮膚炎モデルを解析した。その結果、ノックアウトマウスでは野生型マウスと比較して皮膚の肥厚とILC2数の増加が皮膚炎の後期でも持続したことからinterferon-γがILC2に対して抑制的に働くことが示唆された。
(3)シングルセルRNAseqの結果から皮膚ILC2はIL-18の受容体を高発現していることがわかった。そこでIL-18の受容体を欠損したIl18rノックアウトマウスにMC903を塗布しアトピー様皮膚炎モデルを誘導しILC2の活性化と皮膚炎の程度を評価した。その結果、ノックアウトマウスは野生型マウスとほぼ同程度の皮膚炎が観察され、ILC2の活性化およびIL-5やIL-13の産生量も野生型マウスとの間で違いは認められなかった。このことから少なくともMC903誘導性アトピー様皮膚炎モデルにおいては皮膚ILC2に対してIL-18は関与していないことがわかった。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Sebaceous immunobiology - skin homeostasis, pathophysiology, coordination of innate immunity and inflammatory response and disease associations2022

    • 著者名/発表者名
      Zouboulis Christos C.、Coenye Tom、He Li、Kabashima Kenji、Kobayashi Tetsuro、Niemann Catherin、Nomura Takashi、Olah Attila、Picardo Mauro、Quist Sven R.、Sasano Hironobu、Schneider Marlon R.、Torocsik Daniel、Wong Sunny Y.
    • 雑誌名

      Frontiers in Immunology

      巻: 13 ページ: 1-30

    • DOI

      10.3389/fimmu.2022.1029818

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Tissue-Specific Diversity of Group 2 Innate Lymphoid Cells in the Skin2022

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi Tetsuro、Moro Kazuyo
    • 雑誌名

      Frontiers in Immunology

      巻: 13 ページ: 1-8

    • DOI

      10.3389/fimmu.2022.885642

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Amphiregulin-producing innate lymphoid cells promote skin barrier response after mechanical damage2023

    • 著者名/発表者名
      Tetsuro Kobayashi
    • 学会等名
      The 6th RIKEN IMS-Stanford ISCBRM Joint Symposium
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 自然リンパ球による生体バリア恒常性維持機構2023

    • 著者名/発表者名
      小林哲郎
    • 学会等名
      第2回 日本医学会連合 Rising Star リトリート
    • 招待講演
  • [学会発表] Skin-resident ILC1 promote barrier response against mechanical stress2023

    • 著者名/発表者名
      Tetsuro Kobayashi
    • 学会等名
      The 51st Annual Meeting of The Japanese Society for Immunology
  • [学会発表] Heterogeneity of Skin ILCs2023

    • 著者名/発表者名
      Tetsuro Kobayashi
    • 学会等名
      4th International Conference on Innate Lymphoid Cells
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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