研究実績の概要 |
研究代表者は最近、造血幹細胞の培養に必須であったアルブミンタンパク質を化学物質であるボリヴィニルアルコール(PVA)へ代替えすることで造血幹細胞の長期培養によると大幅な増殖系に成功し国内外で大きなインパクトを与えた(Wilkinson et al.,2019)。この発見は1つの研究の始まりでありPVA以外の化学物質においてもアルブミンタンパク質の代替えを可能とする未知なる物質は存在すると予想できる。研究代表者は現在に至るまでの研究と経験からどのような物質がアルブミンの代替え物質として有効であり、非常に微細な化学式の変化においてもその性質を変化させ、造血幹細胞の細胞分裂や未分化性維持に重要に働くことを認識している。以上のことから本研究課題はアルブミン代替え物質の性質を理解することでHSCの機能や細胞増幅を制御可能にする技術開発を目指し、マウスやヒトの造血幹細胞を培養可能にする新たな培養システムの構築を目的とした。その結果、ヒト造血幹細胞においても増幅技術を成功させることが可能になった(Sakurai et al., Nature 2023)。
|