研究課題/領域番号 |
20H03720
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
竹内 勤 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 名誉教授 (50179610)
|
研究分担者 |
竹下 勝 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (10571135)
近藤 泰 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50626380)
金子 祐子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (60317112)
鈴木 勝也 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (70306695)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 関節リウマチ / 自己抗体 / 抗シトルリン化タンパク質抗体 / 抗翻訳後修飾蛋白抗体 / 肺胞洗浄液 / 間質性肺炎 / リウマチ因子 / 抗原特異性 |
研究実績の概要 |
本年度は早期RA患者のサンプル収集を引き続き行い、また複数のサンプルが得られた間質性肺炎合併の関節リウマチ患者の肺胞洗浄液の解析を行った。 昨年度までに肺胞洗浄液中の細胞にはT細胞やB細胞などのリンパ球が豊富にが存在し、T細胞の中にB細胞補助機能を有するTph用細胞が含まれることを報告した。この事は肺胞空内でT細胞・B細胞が共に何らかの抗原に対する液性免疫応答を起こしている事を示唆しているため、次の課題としてどのような抗原に対して反応しているのかを解析した。 肺胞洗浄液中の形質細胞をシングルセルでソートし、その可変領域を解析し、発現ベクターに組み込み、108種類のモノクローナル抗体を作製した。それらの抗体に対し、シトルリン化に加え、近年報告のあるカルバミル化、アセチル化などの翻訳後修飾を加えたペプチドを 反応させたところ、約10-20%が翻訳後修飾に対する抗体か、もう一つの疾患特異的な抗体であるリウマチ因子(IgG-Fcに対する抗体)であった。モノクローナルレベルで複数の種類の翻訳後修飾ペプチドに結合できる抗体を認めたことから、関節リウマチの自己免疫反応は、特定のタンパク質自体に反応しているというよりは、自己タンパクの修飾部分に特異的に反応していることが想定された。 既報で滑膜由来や滑液由来のB細胞を解析したものからも同様の自己抗体が含まれることから、病変部位では解剖学的部位に寄らずこのような抗体産生が認められると想定された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サンプル収集が進んだ所から順次解析が進められている。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの病変由来抗体の解析結果から、翻訳後修飾に対する免疫反応が関節リウマチに特徴的であることが分かってきたため、よりその部分に集中して自己免疫応答の起こる機序を明らかにすることを目指す。
|