研究課題/領域番号 |
20H03731
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研究機関 | 公益財団法人田附興風会 |
研究代表者 |
稲垣 暢也 公益財団法人田附興風会, 医学研究所, 理事長 (30241954)
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研究分担者 |
原田 範雄 京都大学, 医学研究科, 准教授 (50530169)
林 良敬 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (80420363)
山根 俊介 京都大学, 医学研究科, 助教 (90582156)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | インクレチン分泌 / 腸管内分泌ホルモン / GPR120 |
研究実績の概要 |
GPR120-CCK-GIP経路が全身の代謝状態に及ぼす影響についての検討に関して進展が見られた。腸管においてGPR120はGLP-1、GIP、CCKを分泌する腸管内分泌細胞に発現している。脂肪組織やマクロファージにおけるGPR120シグナルの活性化は、長鎖脂肪酸トリグリセリド(LCT)食による肥満やインスリン抵抗性を改善することが報告されているが、腸管内分泌細胞でのGPR120シグナルの役割は不明である。そこで腸管におけるGPR120シグナルが代謝調節におよぼす影響を明らかにするため、腸管特異的GPR120ノックアウトマウスを作成した。腸管特異的GPR120ノックアウトマウスは、野生型マウスと比較して、LCT単回投与後のインスリン、GLP-1、ペプチドYY(PYY)分泌は変化せず、GIP分泌およびCCK作用が低下した。高LCT食下では、腸管特異的GPR120ノックアウトマウスの体重は軽度に減少し、インスリン抵抗性と脂肪肝は大幅に改善した。さらに腸管特異的GPR120ノックアウトマウスの肝臓と白色脂肪組織(WAT)では、Aktリン酸化が増加し、インスリンシグナルを抑制するサイトカインシグナル抑制因子(SOCS)3の遺伝子発現が低下していた。また腸管特異的GPR120ノックアウトマウスでは、WATにおける炎症性サイトカインや肝臓の脂質生成分子の遺伝子発現が低下していた。これらのことから、腸管におけるGPR120シグナルを阻害することで、高LCT食摂取下でのインスリン抵抗性と脂肪肝が改善されることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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