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2021 年度 実績報告書

オートファジー不全による膵β細胞不全の分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20H03735
研究機関順天堂大学

研究代表者

綿田 裕孝  順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (60343480)

研究分担者 西田 友哉  順天堂大学, 医学部, 准教授 (10581449)
宮塚 健  順天堂大学, 大学院医学研究科, 客員教授 (60622363)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード2型糖尿病 / オートファジー / 膵β細胞
研究実績の概要

オートファジーは、膵β細胞機能において極めて重要な役割を果たすことが知られている。 これは膵β細胞におけるAtg7欠失によるオートファジーの生涯にわたる阻害が、膵β細胞機能障害とともに耐糖能障害を引き起こすことで実証されているが、オートファジー阻害とβ細胞機能障害との時間的関連は不明なままである。そこで、申請者らは、誘導性β細胞特異的Atg7ノックアウト(iβAtg7KO)マウスを作製し、オートファジー機能不全を生後の一定期間において誘導した。 2週間のAtg7アブレーションはオートファジー機能不全を誘発するのに十分であることがp62の蓄積によって確認されたが、この時のiβAtg7KOマウスは正常な耐糖能を示した。対照的に、6週間のオートファジー欠乏は、インスリン分泌障害とともに耐糖能障害を引き起こした。膵島から単離したmRNAシーケンシングとそのpathway analysisの結果、インスリン分泌に関連する遺伝子セットは、6週間の長期オートファジー阻害後にのみダウンレギュレーションされることが明らかになった。さらに、2週間と6週間のオートファジー阻害の両方で50倍以上高いレベルで発現した新規遺伝子Sprr1aを同定した。なお、このSprr1aの増加は膵β細胞障害が認められるdb/dbマウスやS961投与時の膵β細胞でも認められることが明らかになった。
これらのことから、膵β細胞障害はオートファジー不全の結果、蓄積する異常タンパクによっておこる可能性が高くなった。またSprr1aはそのマーカーとなりうることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

膵β細胞死、細胞増殖に対する影響に関して、上述したSprr1aの機能解析を行ったが、明確な影響は認められず、現在のところ膵β細胞障害時におこるSprr1aの意義に関しては明確なことが明らかになっていない。

今後の研究の推進方策

上述した理由から、Sprr1aのインスリン分泌に与える影響に関して検討を進める予定としている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Cumulative autophagy insufficiency in mice leads to progression of β-cell failure2022

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Luka、Miyatsuka Takeshi、Himuro Miwa、Wakabayashi Yuka、Osonoi Sho、Miura Masaki、Katahira Takehiro、Fujitani Yoshio、Iida Hitoshi、Mizukami Hiroki、Nishida Yuya、Watada Hirotaka
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 611 ページ: 38~45

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2022.04.040

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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