研究課題/領域番号 |
20H03741
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
周 ケイリョウ 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10770232)
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研究分担者 |
笹岡 俊邦 新潟大学, 脳研究所, 教授 (50222005)
土田 正則 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60293221)
小田 佳奈子 新潟大学, 脳研究所, 助教 (60708212)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 肺再生 / 異種間胚盤胞補完法 / ラットES細胞 |
研究実績の概要 |
本研究は、異種間胚盤胞補完法を用いて、異種間肺臓器作出方法技術の確立を目指すものである。まずは同種間においてはマウス生体内に肺臓器の作成を検証した。既に、肺臓器を欠損するFgf10 Ex1mut/Ex3mut マウスを開発し、胚盤胞補完法にてマウスの生体内にGFP陽性mES細胞に由来する機能的肺臓器の作出に成功した(Cell reports. 31(6):107626, 2020; Frontiers in Endocrinology. 2020 Dec 14;11:609697)。次に、異種間の設定でVenus陽性ラットES細胞を肺や気管が欠損するFgf10 Ex1mut/Ex3mutマウスの胚盤胞に移入し、マウス生体内にラットES細胞由来の肺臓器の作出を試みた。2021年度において、コロナの影響で数回しかマウス胚盤胞にラットES細胞のマイクロインジェクションを行わなかった。インジェクションするラットES細胞の数や胚盤胞の時期等の条件につき検討したところ、2-5個程度のラットESを移植した場合のキメラ率がより高いことを示したが、依然として効率は低かった。また、新生児の異種間キメラマウスにおいて、四肢と肺の形成を認め、ラットES細胞によるレスキューを示した。ただし、新生児の組織解析においては、四肢欠損が十分にレスキューされていない産仔もあった。肺組織を用いて、肺臓器の各種細胞マーカーを使って免疫蛍光染色を行ったところ、一部にVenus陽性ラットES細胞由来組織を認めたが、キメラリズムは高くなかった。詳細な組織解析は現在でも進行中である。 異種間胚盤胞補完法を用いて肺欠損マウスにおいてラットES細胞由来の肺臓器再生の可能性を示唆した。但し、効率は極めて低く、改良する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ラットES細胞による異種間キメラ率が同種間よりも低く、最適条件の確立に時間がかかった。また、コロナの影響で、2021年度において、研究協力者の来日が困難だったため、DNA解析や動物実験が制限され、異種間胚盤胞補完法によるキメラマウス作成やFgf10遺伝子欠損ミニブタ胚盤胞の準備等に影響が出た。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、確認ができた異種間キメラマウスをさらに解析し、肺臓器などがどこまでES細胞より形成されたかを評価していく。また、ラットES細胞の質コントロールやマイクロインジェクションするES細胞の数などの条件をさらに確認し、より効率的にラット/マウス間のキメラマウスを作成し、ラットES細胞由来の機能的な肺臓器再生を目指す。
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